
第10回「ジャパン・ツーリズム・アワード」において「経済産業大臣賞」を受賞
受賞対象となった【世界的スキーリゾートニセコで持続的な観光地経営を目指す「住民優待サービスKutchan ID+」と町民限定の特別な体験「Kutchan Magical Experience」】の取り組みは、現在、日本国内のみならず世界の観光地が直面している「観光振興と地域住民の生活の調和」という大きな課題に対し、ひとつの明確な解決策を示すものです。私たちはこの栄誉を胸に、リゾートの発展と住民の豊かな暮らしが共存する「未来の観光地のあり方」を、これからも世界へ向けて発信してまいります。
■ 取り組みの背景と課題
北海道・羊蹄山の麓に広がる倶知安町は、人口約1万7千人(2025年12月時点)の町でありながら、国際的なリゾートエリアとして世界中から数多くのお客様をお迎えしています。特に冬季は、訪れる方の約8割をインバウンド(訪日外国人)が占めるという特異な環境にあり、町は国際色豊かな活気に満ち溢れています。
しかし、その眩しい発展の影で、世界的な原料不足や物価・人件費の高騰の波が押し寄せ、地元住民の皆様にとってリゾートエリアが「遠い存在」になりつつあるという現実がありました。「自分の住む町なのに、気軽に楽しめない」--こうした住民のリゾート離れや観光への理解低下は、私たちが真っ先に向き合うべき深刻な課題でした。
この状況に対し、適正な価格転嫁を促しつつ町民の暮らしを守るため、米国ハワイ州の住民優待制度「カマアイナ」(ハワイ語で居住者の意味)をヒントに2022年より構想をスタートさせました。インバウンドの恩恵を住民へ還元する仕組みをDXによって実現させたのが本取組です。
■ 受賞した取り組みの概要

デジタル庁が提供する「デジタル認証アプリ」を活用し、マイナンバーカードによる安全かつ確実な本人確認を用いたデジタル町民証明サービスです。スマートフォン上で町民証明を提示することで、町内の参画店舗にて割引や優待を受けることが可能となります。
・実績:2024年11月にリリースし、現在2,528名(8月19日時点)のユーザーが登録しています。(町民世帯のうち約3世帯に1世帯)
・利用可能店舗:スキー場リフト券、地元スーパー、温泉、飲食店など44サービス(2026年8月19日時点)が参画しています。
・効果:適正な価格転嫁と住民優待の両立を目指し、町民の暮らしを守ります。これまで各事業者の「善意」や「裁量」に委ねられていた個別の優待を、観光協会が主導する地域一体の公式プラットフォームへと進化させ、公平・一貫した基準で提供できるようになりました。

米国オーランドのDMOの事例を参考に、観光客が減少するオフシーズンに町民限定で開催する特別な食体験イベントです。マイナンバーカードと連携した「Kutchan ID+」の本人確認を活用し、10,000円分の飲食券を5,000円(プレミアム率100%)で販売しました。
・実績:2025年の第1弾(900枚)、第2弾(2,000枚)の即完売に続き、直近の2026年4月20日から販売した第3弾では、用意した2,000枚に500枚を追加した計2,500枚が見事完売し、使用率は99.4%という極めて高い数字を記録しました。
・効果:インバウンド需要で価格が高騰し敷居が高くなりがちな高級リゾートの食体験を町民に体験してもらい、世界屈指の食文化を体感する機会を創出しました。また、飲食店にとっては閑散期の店舗集客や売上平準化、新メニューの検討、新人スタッフのトレーニング機会となり、雇用の安定と地域経済の循環に寄与しています。
■ ジャパン・ツーリズム・アワード審査委員 選考のポイント
リゾート地ゆえの価格高騰の中で適正な価格転嫁を促し、住民の暮らしを守るための優れた事例。これまでの住民優待は各事業者の「善意」と「裁量」に委ねられていた。町全体の住民優待について観光協会が窓口となり、デジタル庁認証のアプリを活用することで情報を一元化し、どの店舗でも公平にサービスを受けることが可能となった。閑散期には地域住民が各店舗などを利用することで、需用の平準化、継続的な雇用につながる点を高く評価した。地域住民の観光理解につながる先進的な取組である。
■ 受賞コメント(一般社団法人倶知安観光協会 事務局長 鈴木紀彦)
世界中から多くのツーリストを迎えるニセコ倶知安(くっちゃん)DMOでは、観光が地域にどのような価値をもたらすかを大切にしてきました。KUTCHAN ID+とMagical experienceは、住民に観光経済の実感や観光による消費を地域の受益として還元していく仕組み化です。DMOの役割としてこのような地域マネジメントは重要であり、この栄誉を地域の皆様と共に、世界に誇れる持続可能な観光地経営のモデルとして次の10年へ向けてもチャレンジし続けてまいります。
観光の司令塔を担い、観光の住民理解を目指してきたDMOとしてこの受賞は大変誇りに思います。価格転嫁が早い段階で進んできたニセコエリアでは、早期に物価高対策を講じてきました。適正な価格転嫁を推奨し、でも365日顧客である住民には優待価格を設定することで観光経済の恩恵は広く行き渡ります。あるご家族が Magical experience を使い祖父母の米寿のお祝いでリゾートにあるラグジュアリーなホテルに三世代で泊まりました。「倶知安で日本に3軒しかないホテルに泊まれたよ」...私たちがうれしい瞬間です!
■ 表彰式について
第10回「ジャパン・ツーリズム・アワード」表彰式は、以下の日程で行われます。
・日時:2026年9月24日(木) 9時45分~10時45分
・場所:東京ビッグサイト 東展示棟東1ホールAステージ(ツーリズムEXPOジャパン2026 オープニングセレモニー後)

一般社団法人?知安観光協会
一般社団法人 倶知安観光協会(事務局長:鈴木紀彦)
〒044-0078 北海道虻田郡倶知安町樺山41-5 サンスポーツランドくっちゃん
TEL:0136-55-5372 [メディア関係者専用 EMAIL: info@niseko.co.jp]
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