劇団俳優、AV監督としての異色の経歴を持ち、「恋する幼虫」や「猫目小僧」などを手がけた井口昇監督の話題作「片腕マシンガール」が9月19日より、イベントスペース「ATTIC」（札幌市中央区南3西6、TEL 011-676-6886）で上映される。

　アメリカ資本で制作された同作品は、You Tubeに予告編がアップされて以来100万以上のアクセスが殺到。過激なスプラッター映画のため日本での公開が危ぶまれたが、国内で初めて上映された「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」では立ち見が続出するなど国内外で話題を呼び、都内を中心に全国でレイトショー上映された。

　ストーリーは、過剰ないじめにより唯一の家族である弟・ユウを亡くした女子高生・アミの復讐劇。「いじめ」という現代の社会問題を題材に、「寿司」「天ぷら」「忍者」「ヤクザ」など日本に対する偏ったイメージを取り込み、井口監督独特のコミカルで斬新な表現で描かれている。

　会場の「ATTIC」はこれまでにも、良質ながらも札幌の映画館では上映機会に恵まれないインディペンデント映画を定期的に自主上映している。今回は、以前から作品のパワーを感じて注目していたという同作品の全国公開が決まった際に、配給会社に依頼して上映が実現した。

　ATTIC担当者は「スプラッター映画だが陰惨さはなく、遊び心にあふれている。海外では観客がスプラッター映画を見ながら盛り上がったり歓声を上げたりすることが多いが、日本にはまだない。敬遠されがちな面だが、前売り券を楽しみに買いに来てくれる人も多く、ファンはちゃんといるのだと手応えを感じている」と話す。

　上映開始時間は、19日・22日＝18時／20時、20日＝14時／16時／18時／20時／22時、21日＝14時／16時。チケットは、前売り＝1,200円、当日＝1,400円。ATTIC、シアターキノで発売中。