ヒューマンアカデミー株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役:田中 知信、以下「当社」)は、札幌商工会議所DX推進・生産性向上委員会(以下「同委員会」)と共同で、2026年9月18日(金)に「AI×ウェルビーイング セミナー『AI×人』で創る強い会社の条件」を開催しました。同委員会の会員企業や一般の方を対象に、会場とオンライン配信を合わせて約170人が参加しました。
第1部では、マシンラーニング・ソリューションズ株式会社の伊藤 拓海氏が、AI・AIエージェントの活用方法と北海道の農業現場における事例を紹介。第2部では、武蔵野大学の前野 隆司氏が、幸福学の知見をもとに、働く人のウェルビーイングと組織づくりの関係を解説しました。本レポートでは、企業の稼ぐ力と働く人の豊かさをともに高めるための視点を、当日の講演内容から紹介します。
●札幌商工会議所DX推進・生産性向上委員会と当社が、AI活用とウェルビーイング経営をテーマにセミナーを共催
●第1部「AI・AIエージェント活用の最前線」では、伊藤氏が北海道の農業法人による温度通知や翻訳の仕組みなど、現場の課題に応じたAI活用事例を紹介
●第2部「『AI×人』で創る強い会社の条件」では、前野氏が幸福学の知見をもとに、幸せの4つの因子や、従業員の主体性を育む組織づくりについて解説

第1部「AI・AIエージェント活用の最前線」で講演する伊藤 拓海氏
経済産業省は、2025年5月に公表した報告書で、生成AIによる技術革新の加速や構造的な人手不足を踏まえ、デジタル人材育成の加速を課題に挙げています(※)。こうした中、同委員会は地域企業のDXについて、新たなツールの導入やデジタル化にとどまらず、企業の「稼ぐ力」と働く人の豊かさ(ウェルビーイング)の両面を高める取り組みである「人に優しく、実利のあるDX」を課題をして掲げていました。そこで、デジタル人材育成とウェルビーイング教育に知見を持つ当社と方針が一致し、今回の共催に至りました。
本セミナーでは、その思いを「AI×人で創る強い会社の条件」というテーマに込め、地域企業の経営者・管理職・人事担当者に向けて、AIの実務活用とウェルビーイング経営の両面から学ぶ機会を提供しました。
(※)経済産業省「『Society5.0時代のデジタル人材育成に関する検討会』報告書:スキルベースの人材育成を目指して」(2025年5月23日)
開会にあたり、同委員会より「人に優しく、実利のあるDX」をテーマに挨拶を行いました。続いて当社から、AI時代の企業変革を支える3つの要素として、生産性を高める「AIスキル」、問いを立て課題を解決する「アントレプレナーシップ」、組織で新たな取り組みを推進する土台となる「ウェルビーイング経営」を紹介。これらを軸とした講座や企業研修を通じ、社会人の学びと企業の人材育成を支援する姿勢を示しました。
【第1部】「AI・AIエージェント活用の最前線」
マシンラーニング・ソリューションズ株式会社のAIアーキテクト、伊藤 拓海氏が登壇しました。伊藤氏は、東北大学で自然言語処理の研究に従事し、英語論文執筆支援AIを手がけるLangsmith株式会社の共同創業者でもあります。自身の働き方の変化や企業の活用事例を交えながら、AIを実務に取り入れる方法を紹介しました。

伊藤 拓海氏が紹介した、業務におけるAI活用の4つのポイント
【AIに渡すのは、業務に必要な「道具」と「やり方」】
伊藤氏は、AIエージェントについて、周囲の状況を把握し、判断と行動を重ねながら仕事を進める仕組みとして説明しました。その活用に必要なものとして挙げたのが、「道具」と「やり方」です。
「道具」は、メールやファイルなど、業務で使う情報やシステムにアクセスするための手段。「やり方」は、仕事の手順や判断の基準といったノウハウを指します。講演では、熟練者の進め方を言語化し、AIが参照できる形にすることで、個人が持つ知見をチームで活用する可能性も紹介されました。
【北海道の農業現場で、必要な仕組みを自ら作成】
地域に身近な事例として、北海道の農業法人におけるAI活用が取り上げられました。プログラミングの専門家ではない農業従事者が、AIを使って現場に必要な仕組みを作成した事例として紹介されました。
ビニールハウスの温度変化をLINEで受け取る仕組みや、ハウスの窓を遠隔で開閉する仕組み、外国人従業員とのやり取りを支援する翻訳の仕組みなどを事例として挙げ、現場の業務に精通した従業員自身がAIを活用し、業務上の課題に応じた仕組みを構築することが可能になったことを説明しました。
【小さく試し、社内に知見を広げる】
伊藤氏は、画面のイメージ画像と必要な機能をAIに伝え、勤怠管理の仕組みを試作した例を紹介するとともに、AIが画面を認識しながらソフトウエアを操作する技術にも言及。業務におけるAIの活用可能性を解説しました。
こうした技術を企業の実務に取り入れる第一歩として、社内にAIに詳しい担当者を置き、小規模な試行から始めることを提案。実際の業務を通じて、AIに任せる部分と人が判断する部分を見極めながら、得られた知見を社内に共有する進め方を示しました。
【第2部】「『AI×人』で創る強い会社の条件」
武蔵野大学ウェルビーイング学部長・教授、慶應義塾大学名誉教授の前野 隆司氏が登壇しました。前野氏は、キヤノン株式会社勤務を経て、慶應義塾大学で教育・研究に従事し、2024年に武蔵野大学ウェルビーイング学部長に就任。講演では、幸福学の知見をもとに、働く人の幸福と企業経営の関係を解説しました。

AI時代のウェルビーイングと企業経営について解説する前野 隆司氏
【働く人の幸福を、組織づくりの視点に】
前野氏は、お金や地位など他人との比較によって得られる幸せと、健康や人とのつながりなど比較によらない幸せを分けて説明しました。働く人の幸福を考える際には、報酬や待遇に加え、仕事を通じた成長や周囲との関係、自分らしく働ける実感にも目を向けるという視点を示しました。
また、幸福と創造性や生産性などの関係を扱う研究にも触れ、働く人の幸福を経営のテーマとして捉える意義を説明しました。
【幸せを支える4つの因子】
講演の中心となったのは、前野氏が研究する幸せの4つの因子です。
●「やってみよう」―自己実現と成長
自分の強みを生かし、目標を持ち、自ら決めて行動できること。
●「ありがとう」―つながりと感謝
人とのつながりを感じ、感謝し、誰かのために役立ちたいと思えること。
●「なんとかなる」―前向きと楽観
失敗や不確実な状況に直面しても、前向きに取り組めること。
●「ありのままに」―独立と自分らしさ
他人と過度に比較せず、自分らしさを大切にできること。
前野氏は、自分で決められる範囲の広さが、働く人の幸福を考えるうえで重要だと説明しました。また、従業員が主体的に挑戦できる機会や、互いに感謝を伝えられる関係を育むことの大切さにも触れました。
AIの活用についても、自身が執筆や調べ物に取り入れている経験を紹介。そのうえで、AIの回答を参考にしながら、自分自身で考え、独自の視点を持つことを大切にしていると語りました。
【経営者の思いと、従業員の幸福を両立するには】
講演では、「従業員の幸福を意識するあまり、経営者としての思いを伝えにくくなるのではないか」という経営者からの質問と、それに対する前野氏の考えが紹介されました。
前野氏は、従業員が幸福である状態について、会社の理念を理解して自ら「やってみよう」と思えること、やりたいことに取り組めている実感があること、上司を信頼できていることなどを挙げました。そのうえで、従業員が前向きに取り組む気持ちを育むためにも、経営者の思いを伝えることが大切だと述べました。
また、理念や目標を伝える際には、命令するような話し方ではなく、目指す方向を共有し、「わが社で力を合わせてやろうではないか、世の中の役に立てるはずだ」と呼びかけるなど、従業員の主体性に訴える伝え方が重要だと説明しました。
当社は、AIそのものを活用する力や、ウェルビーイングの考えを軸として働く人が力を発揮できる組織づくりなど、社会人向けの学びの機会を今後も提供してまいります。関連する学習機会として、ウェルビーイングの基本的な考え方を学べる「ウェルビーイング入門セミナー」をご案内しています。
また、今後のビジネスをリードしていく「自ら課題を見つけ、AIで形にし、実際の業務で動かせる人材」 を育成するためのAI人材育成講座・研修を実施しています。セミナー・講座・研修の詳細は、以下のページをご覧ください。
■ウェルビーイング入門セミナーはこちら
https://haa.athuman.com/event/wellbeing2603/
■AI人材育成講座・研修のご案内はこちら
https://haa.athuman.com/event/aikensyu_2610/index.html
■ヒューマンアカデミーについて https://manabu.athuman.com/
ヒューマンアカデミーは、学びの面白さを提供する「Edutainment Company」として、1985 年の創設以来、時代や社会の変化にあわせながら800以上の講座を編成しました。未就学児童から中高生・大学生・社会人・シニア層とあらゆるライフステージにおけるSTEAM教育やリスキリング、学び直しの支援を行っています。

さらに、独自の「ヒューマンアカデミーGIGAスクール構想」を推進し、学習支援プラットフォーム「assist」を開発。SELFingサポートカウンセラーと講師が、個別に学習目的や目標にあわせた進捗管理や相談などの学習サポートをします。私たちは、常に最先端の教育手法やテクノロジーを取り入れ、学びの喜びを追求し、質の高い教育サービスを提供していきます。
■ヒューマングループについて
1985年の創業以来「為世為人(いせいいじん)」を理念に掲げ、教育を中核に人材、介護、保育、IT、美容、スポーツと多岐にわたる事業を展開しています。深刻な社会課題である「労働人口減」に対し、各事業の専門性を活かした4領域で解決を推進しています。

教育・人材事業による「海外人材の活用」「成長産業分野の専門教育と労働移動」、介護(通所・訪問・ホスピス等)や保育・学童運営による「国内労働力の確保」、RPA・AI・IT活用を通じた「生産性の向上」に注力。SDGsへの貢献を通じて、誰もが自分らしく生き、学び、働ける社会の実現と、時代に即した労働環境の革新に取り組んでいます。
●ヒューマンホールディングス ウェブサイト:
https://www.athuman.com/
会社概要
ヒューマンアカデミー株式会社
●代表者:代表取締役 田中 知信
●所在地:東京都新宿区西新宿7-5-25 西新宿プライムスクエア1階
●資本金:1,000 万円
●URL :
https://manabu.athuman.com/