センチュリーロイヤルホテル（札幌市中央区北5西5）で11月6日、厚真町の新米やハスカップなどを使ったランチ試食会が行われた。

　試食会は、同ホテルが同町の新米が収穫されたことを記念して企画。2018（平成30）年の北海道胆振東部地震で被災した同町の復興を後押ししようと開催。厚真町観光協会が手掛ける「田んぼのオーナー」制度と連携した復興支援活動「ふぁい田！ATSUMAプロジェクト」（以下、ふぁい田プロジェクト）を実践している北海道日本ハムファイターズの稲葉篤紀スポーツ・コミュニティ・オフィサー（SCO）や、田んぼを貸し出している生産者らが参加した。

　同町では2007（平成19）年から幌内地区の水田100区画を借り、一般の人が春の田植えと秋の稲刈りを体験し、収穫した米を受け取れる事業を実施している。今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で春の種まきや田植え体験会が中止となり、農園を保有する高橋宥悦さん一家の手によって、管理と生育が行われた。10月4日、「ふぁい田プロジェクト」に事前応募の参加者や球団職員、ホテルの調理長など約40人が参加し、北海道を代表する高品質米「ななつぼし」の稲刈りを行った。

　試食会の冒頭、同ホテル総支配人の桶川昌幸さんが「復興支援に取り組む利害関係者の交流・情報交換を行い、顔の見える関係の構築を図り、『美味（おい）しい厚真』をPRしていく。厚真の特産品を用いた限定料理を存分に味わってほしい」とあいさつ。

　試食会では、同ホテルレストラン（スカイレストラン ロンド）の調理長・古川浩気さんが創作したコース料理7品を提供。同町産のななつぼし、札幌大球、札幌黄を用いたポタージュから始まり、ななつぼしを用いたライスコロッケ、ハスカップを用いたデザートなどを提供した。同ランチは、11月30日まで同レストランで提供している（1人3,800円）。このほか、和食レストランからは、土鍋で炊き上げた同町の新米がハスカップ塩漬け等とともに振る舞われた。

　試食した北海道日本ハムファイターズの稲葉篤紀SCOは「一粒一粒に皆さんの思いが加わり、よりおいしくなった北海道を代表する高品質米『ななつぼし』や、厚真町の特産品ハスカップなどを使用した料理など、センチュリーロイヤルホテル調理長やスタッフの方々が熟考するメニューをおいしくいただいた。北海道の農畜産物の魅力や生産者の思いなど、広く消費者に知ってもらうことも重要。私たち消費者は生産者に対して、感謝の気持ちを持つなど相互に伝え合い、意識しながら北海道が一つとなって、北海道農業を盛り立てていくことができればと思っている」とコメントした。