「CUDo!2019」が現在、紀伊国屋書店 札幌本店(札幌市中央区北5西5)2階イベントスペースで開催されている。主催は、NPO法人「北海道カラーユニバーサルデザイン機構(北海道CUDO)」。
色弱者の見え方や感じ方、北海道内のカラーユニバーサルデザイン(CUD)対応状況などを伝える同イベント。色弱者が体感している日常のさまざまな場面を特殊な光源を使って再現する「色覚体験室」。モザイクの中に文字が隠れているパネルを見る「色覚チャレンジ!」ゲームや、色弱者と一般色弱者が一緒に楽しめる「CUDテーブルゲーム」を展示する。
札幌市が実施した「市電運行情報モニター画面の検証」や札幌市発行の「札幌市広報に関する色のガイドライン」、湧別町発行の「津波・洪水ハザードマップ」などCUD対応の事例も展示する。
色覚検査で一般的に使われている石原式検査表をはじめ、タイプや色覚の程度まで診断できる精密検査機アノマロスコープも展示。実際に検査機を体験できるほか、CUDや色弱についての相談コーナーも設置する。
8月25日はトークイベントを開いた。色弱の生徒がいる小学校のクラスで養護教諭が生徒向けに行った実際の説明内容や、CUD対応チョークの使用や色と一緒に形や位置情報を伝えるなど教育現場での取り組み、色弱者を発表。説明を聞いた子どもたちがうなずきながら真剣に聞いている様子や、同級生が色弱の生徒に対して見え方の違いを指摘しなくなったなどの反応を紹介した。色弱者が自身の経験を語るトークでは、参加者から色弱者の見え方についての質問が相次いだ。
北海道CUDO理事長の谷越律夫さんは「2017年にJIS(日本工業規格)が改正されカラーユニバーサルデザインが採用され、政府が発行する『全国地震予測地図』を色覚障がいの人にも分かりやすく作り直すことが8月23日に発表されるなど、色使いのルール浸透が進んでいる。色弱者に対する職場での理解を深め、チームワークでサポートすることができるようになるためにも、このイベントで色覚の多様性とCUDの必要性を知ってほしい」と話す。
同NPOによると、色弱者は日本人男性の20人に1人、保因者は日本人女性の500人に1人いるとされ、北海道では約13.5万人、札幌市では約4.8万人に上るという。
開催時間は10時~19時(最終日は18時まで)。入場無料。今月29日まで。