仕庵(札幌市中央区南2東2)は1月から、地方エリアの空室と催事やイベント事業者をマッチングさせるサイト「space palette(スペースパレット)」の提供を開始した。サービス開始から約3か月で24件(4月6日時点)の商用スペースを掲載している。
同社は創業当初から商業デベロッパー企業の販促や広報を手掛けてきた。しかし、新型コロナウイルス感染症拡大以降、緊急事態宣言や往来自粛などの影響もあり、同社のクライアント企業も苦戦を強いられている。
同サービスは地方エリアで開催される催事やイベントの呼び込み、関係人口の向上につなげたいと開始。サービスコンセプトは「あの場所にも、新しい風景」で、地方ならではの風景を維持していくことを大きな目的としている。ポップアップストアやシークレットセールなど、小売り事業のイベントシーンで利用するスペースを紹介している。
現在掲載されている物件には伝統的な建造物が5件ほどあり、その中には映画のロケで活用されたスペースもある。従来型のスペースシェアと比較すると、地方エリア(現在は北海道エリアのみ)に特化していること、商用目的での利用に限定されていることが大きな特徴。
料金はスペースの提供者と利用者で異なり、スペース提供者は成果報酬式。初期費用や掲載料、システム利用料などの固定費は掛からない。取引が成立した場合にのみ費用が発生する。スペースの利用者は1日5,500円から利用できる(広さや場所によって価格は異なる)。
サービスを利用しているMassive sapporo社長の川村健治さんは「歴史は観光的魅力を語る上で、最も重要なコンテンツの一つ。古い建物は、そのファクターとして欠かせない要素だが、老朽化による未利用、そして最後は取り壊されてしまうのがこれまでの当たり前だった。そこに風穴を開ける存在になり得るサービスだと直感し、パートナーとなった」と話す。