札幌初のワンコイン英会話スクール「ランゲージハウス札幌」(札幌市中央区大通西4、TEL 011-200-6160)が来年1月、大通BISSE西向かいにオープンする。運営は外国語学校、海外事業を展開する北海道グローバルリンクス(北2西3)。
会話重視の実践英会話レッスンを1回50分・500円~行う同スクール。講師はネーティブの外国人。「多くの英会話スクールの授業料は月平均1万円が相場。この価格も英会話を始めるための壁になっている。低価格の英会話スクールは大坂や仙台など国内でもいくつか例があり、規模を拡大している。札幌でもこの市場をつくりたい」と同社の中野創次郎社長(32)。授業内容は「会話重視、少人数制にすることで授業の質を高めることができる。多くの英会話スクールでは講師が8~9割、生徒が1~2割の割合で会話をするが、これではなかなか上達しない。生徒が考えて積極的に話し、少人数で楽しみながら互いを高め合う。生徒一人一人が話す機会を多くする方式を取る」という。「教えることが上手な講師は、生徒に話をさせるための授業をするのが上手。雇用する講師には『教えるためのスキル』をコーチングした後に教室に立ってもらう。安いからといって質の低いレッスンは行わない。生徒には英語の知識だけでなく、楽しんで英語を使える環境を提供し、北海道に住みながら英語を話すことができるようになる『道内留学』を実現したい」
コースは「グループレッスン(3~6人)」(50分500円、月会費=850円)、「マンツーマンレッスン」(50分2,500円、同=2,850円)、「1日3時間・1カ月60時間の短期集中グループレッスン」(4万9,800円)。グループは受講者の英語力に合わせて編成。それぞれの実力によって「トラベル・イングリッシュ」「スピーキング」「トピックトーク」「ドラマで学ぶナチュラルイングリッシュ」などのテーマ別レッスンを受けることができる。
低価格化を実現させる背景は、「講師の空き時間を有効活用すること」「オペレーションの管理」だという。「日本で英会話を教えている外国人の中には時間を持て余している人も多い。朝と夕方にレッスンがあった場合、昼間の時間に特にすることがないといった具合なので講師もスケジュールに合わせて授業のコマを埋めることができるような仕組みをつくった。これは講師にとっても稼げる体制。ほかより少ないのはもちろん同じ給料でもだめ。講師にとってもプラスになる要素をつくり出す」。オペレーションの管理は、予約体制・システム整理を行うことで人件費を削減する。「低価格化するためのビジネスモデルは実はとてもシンプルで、余分なものを省くことを第一にした。英会話のLCC(ローコストキャリア)のような感覚。まずは1年で400人の生徒数を目指し、今後は1000人が在籍する道内最大の規模のスクールにして全国へ進出したい」
開校の背景には、「日本をグローバルの波に取り残されない国にしたい」「北海道を外国人にとって日本一フレンドリーな街にしたい」という思いもある。中野さんは昨年、短期留学専門の日本語学校「北海道ジャパニーズランゲージスクール」(北2西3)、アジア文化、語学スクール「アジアンカフェ」(同)を札幌市内に開業し、そこで国籍が違う外国人同士が新たにビジネスを始める姿を目の当たりにした。その光景に「チャンスと同時に危機感を覚えた」という。「アメリカ、ヨーロッパ、アジアなど30カ国以上の国から、年齢・国籍問わず多くの学生がやって来る。中には一流大学出身だったり、頭の切れる優秀な人材もたくさんいる。アジアン言語は英語と比べるとマイナーであることは否めないし、最も強いニーズは英語。日本も英語を通してグローバルな人材リソースをつくり出すことで、もっと世界に踏み込める国になる。まずは北海道からその波をつくりたい。北海道はもっと外国人を迎えるための準備ができる地域。また来たい、そう思ってもらえるまちづくりの一環にもなれば」
開校後は日本語学校やアジアンカフェと合わせた交流イベントや文化体験などの国際交流なども行う。