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札幌の宅録ミュージシャン、自主アルバムを全国発売-作曲から営業まで1人7役

全国リリースしたアルバムを手にするかせのさん

全国リリースしたアルバムを手にするかせのさん

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 札幌在住の女性宅録ミュージシャン・かせのまさよさんが4月30日、デビューアルバム「猫も杓子(しゃくし)も」を全国リリースした。

録音したかせのさんの自宅機材

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 待望のリリース日を迎え、「精神的にほっとしている。晴れやかな気持ち」と胸をなで下ろすかせのさん。宅録とは、スタジオではなく、音源の全てを自宅で録音すること。同作は当初、2012年7月に自主制作でリリースされた。ピアノで原曲を作った後、パソコンでドラム、ベース、ストリングスなどを加えて編曲、最後に歌詞を書き上げた。制作期間は約4か月間。自宅のパソコンと楽器、両方のキーボードに向かい続けた。

 自ら仮ミックス後にミックスダウン作業に立ち会い、ジャケットはネットや展覧会などを巡り気に入ったデザイナーに依頼し、完成させた。アマゾンや店頭での販売も視野にも入れ、「体裁をキッチリして商品としてしっかりステップアップさせたかった」と札幌商工会議所に自ら足を運びバーコードの申請を行った。自主制作盤から全国流通に至ったのは昨秋にMoor Worksという仙台のインディーズレーベル会社に出会ったのがきっかけ。そこからは音楽マンから営業マンに変身し、大手CD店・タワーレコードの全国85店舗全てに電話をかけ、CDを郵送し、自らのアルバムを売り込んだ。店頭の目立つ位置でPVを流す関東の店もあるという。

 かせのさんのこうした熱意により、当初は自主制作盤を委託販売で扱う限られた店舗だけの販売だったが今では全国に展開している。自主制作から全国流通で作詞・作曲・編曲・歌唱・エンジニア・宣伝・営業まで1人7役をこなした。「普通のシンガー・ソングライターはそこまでしないですよね」と言われ恐縮するかせのさん。キーボディスト募集の求人を見て就職した会社はライブで全国を回った。舞台に上がりミュージシャンとして活動する一方で機材運搬など細かい仕事も全てやった。「何でも1人でやる精神が、そこで身についた」という。

 現在は2枚目のアルバムに向け制作中で「同じような感じになると思う。これからは雑貨などグッズ製作にも取り組んでみたい。もちろん最初から最後までしっかり携わる。目指すは『1人ヴィレッジヴァンガード』」と声を弾ませる。

アルバムは9曲入りで1,944円。CD店やアマゾンで販売している。

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