札幌のコワーキングスペース「札幌ものづくりオフィス&カフェ SHARE(シェア)」(札幌市中央区北2東1、TEL 050-3506-3697)が10月12日より、毎週土曜限定で「3Dプリンター体験カフェ」を始めた。
3Dプリンターは、樹脂などを使って立体造形物を作るプリンター。主に企業が使う業務用の製品として数百万~数千万円の価格で販売されていたが、一昨年、一般向けに簡易的な性能や操作などを重視した製品が安いもので15万円前後から販売され始め注目を集めている。
ものづくり、クリエーターの創作活動の場、交流の場を目的として今年3月より開業した同施設では、オープン時より3Dプリンターを設置していた。開業から半年、新たな3Dプリンターを導入したこと、ミニチュアやアクセサリー製品の制作を手掛ける「札幌立体データサービス」(北2東1)の田村彰浩社長との出会いによりイベントを企画した。「ここ数年で3Dプリンターを使ったものづくりが爆発的に広まり、3Dプリンターなくして次世代のものづくりは語れないというところまできている。ここが個人のメーカーやブランド立ち上げの出発点にもなると思う。まずは一度どんなものなのか体験してみたり、興味がある人は使ってみてほしい」と同施設の代表・齋藤隆さん。「コワーキングスペースならではのさまざまな業種の方が集まりは、新しいアイデアへの刺激、発想が生まれる。そこにも期待したい」とも。
カフェでは、無料のアプリやソフトの紹介、使用方法の説明、実際にものづくりなどができる。アイフォーンケースやキーホルダーなど、制作できるものはさまざま。制作物の大きさは5センチメートル~20センチまで。制作物は基本的に1色で完成するが、赤、緑、ピンクなどの色から選ぶことができる。「スモールライトプロジェクト」と題し、体のデータをスキャン(読み込み)して自身のミニチュアフィギュア(5センチメートル=7,990円、20センチメートル=1万9,900円)を制作もできる。
初日は同施設の会員が体験に参加。親子連れで参加した福原亮さん・奈々ちゃんは、自身を型取ったミニフィギュアを制作。1時間~1時間半で5センチメートルのフィギュアが完成した。フィギュアを手にした奈々ちゃんは笑顔で興味深くフィギュアを眺めていた。
「少し前はメーカーに頼まなければできなかったことが一気に身近になった。私自身10年近く前から3Dプリンターを使っていたので、その知識と経験を多くの人に伝えることで魅力や楽しさを伝えたい」と田村さん。「アメリカでは特に盛り上がっている。海外のサイトでは高機能の無料ソフトが公開されているが、英語を読み解いていくのがハードルになって足踏みしている人も多く、もったいない。そうしたところ手助けすること、3Dプリンターの可能性を伝えることで札幌のものづくりを盛り上げたい」と話す。
開催時間は10時~19時。