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札幌のレストランでジビエ肉料理提供 街に出没する野生動物を有効活用

レストランの様子

レストランの様子

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 アウトドアレストラン「森のレストラン mountainman(マウンテンマン)」(札幌市南区、TEL 011-581-1100)が現在、「森ノDINNER<六月/七月>~薪(まき)火ジビエとチーズ~」を提供している。

料理の一例

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 森の中にあり場所は非公開の「マウンテンマン」は、隣接する畑で取れた野菜のほか、近隣の農場から届く肉や卵を使ったアウトドア料理を提供している。コンセプトは「不要なものを有用なものに変える」。食べたことのないものや、やったことのない体験など、食を通してさまざまな体験を提供している。

 同コースはスイス製のまき火調理台「yagoona(ヤグーナ)」を全員で囲み、ピットマスターが目の前で調理を行う。提供するのはエゾシカやアユ、アライグマ、ヒグマなどのジビエ肉にfattoria bio hokkaido(白石区)のクラフトチーズを合わせる。

 同店ディレクターのメアラシケンイチさんは「同コースは駆除されてしまう野生動物を新たな資源として活用しようと企画した。まきでジビエを目の前で焼いて食べるという体験も合わせて楽しんでほしい」と話し、「野生動物と人とがうまく共存していく方法がないかを考え、やみくもに捕獲したり、駆除したりはしない方が良いと思うが、人に害を及ぼすようになると駆除する必要性は出てくる。そうなった時は新たな価値と捉えて有効活用させてもらうのが良いと考えている」とも。

 今回使う動物は同店シェフの佐々木恵さんが知り合ったハンターで、食肉加工工場Mt.inc.(美唄市)の代表でもあるハンター山本峻也さんが捕獲したもの。山本さんは「札幌は山林と隣接した都市。ヒグマやエゾシカなどさまざまな動物が山林で暮らしており、近年では交通事故や人身事故が発生している。野生動物の増加は山林環境が良くなったことが要因だと考えている。山林環境が良くなることは素晴らしいことだが、数が増えると人間の生活圏にまで侵入し、経済を混乱させる可能性がある」と説明する。

 メアラシさんは「鹿は10年前まではそれほど食べられてこなかった。しかし現在では増えすぎた鹿を食べようという考え方に変わり、新しい北海道の資源に変わった。熊の問題も大きくなってきているが、怖いものからおいしいものに変わるかもしれない」と話す。

 7月・8月は金曜・土曜に開催。19時開始。3日前までの要予約。

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