札幌市中央区に5月10日、ソフトウエア開発会社「弥生」（東京都千代田区）が札幌営業所を新設した。

　同社はこれまで、東京、大阪、名古屋、福岡、広島、仙台の全国6カ所を中心に営業・サポート活動を展開してきた。札幌営業所は、北海道の会計事務所とのパートナーシップ強化を目的に開設した。同社によると、これまでは東京支店からパートナー先の会計事務所を訪問していたが、今後は地域に密着した機動的なサポート体制を整えるという。

　日本税理士会連合会によると、今年3月時点の北海道の税理士登録者数は1869人、税理士法人届出数は264で、他の区分地域と比べ税理士登録数が少ないという。「今年3月時点の弥生PAP会員数は209人。北海道の法人数に対する税理士事務所の割合は0.2％で、多くの案件や業務を抱える税理士事務所をタイムラグなく、シームレスにサポートできる体制構築のため、札幌に新たな営業拠点を設置する必要があった」と同社。

　同社の代表的なサービス「弥生シリーズ」は、クラウド会計ソフト5年連続利用シェアとデスクトップアプリで22年連続売り上げ実績日本一を獲得。登録ユーザー数は220万人を超える。「事業・業務支援サービス」では起業・開業ナビ、資金調達ナビなど業務ソフトウエアの枠を越えたサービスを提供している。札幌営業所では事業者に税理士・会計事務所を無料で紹介する「会計事務所紹介・税理士紹介サービス」にも注力し、新規開業の準備から法人決算まで、北海道エリアの事業者の課題解決をサポートする。

　同社スタッフは「弥生は、お客さまの事業の立ち上げと発展の過程で生まれるあらゆるニーズに応える『事業コンシェルジュ』をビジョンとして掲げている。今後も全国の会計事務所、地域ビジネスパートナーと連携し、中小企業の抱える課題解決に向けた取り組みを行っていきたい」と話す。