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北海道発のドキュメンタリー漫画「義男の空」完結 11年間自費出版を継続

「義男の空」12巻の出版イベントであいさつする田中宏明社長

「義男の空」12巻の出版イベントであいさつする田中宏明社長

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 デジタルコンテンツ、デザイン制作を手掛ける「エアーダイブ」(札幌市中央区南8西4)が自費出版するドキュメンタリー漫画「義男の空」が10月19日、最終巻となる12巻を発刊した。

ドキュメンタリー漫画「義男の空」12巻 表紙イメージ

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 道内で活躍している小児脳神経外科医の高橋義男さんをモデルに、患者である子どもたちや家族との交流や葛藤などを描く同作品。2008(平成20)年1月に第1巻を発行し、1年に1巻のペースで制作を重ね、初巻発刊から11年目に完結を迎えた。

 構想のきっかけは、エアーダイブ社長の田中宏明さんの次男が出生間もないころに難病と診断され、高橋さんによって救命されたこと。過去に漫画新人賞一般部門で準大賞を受賞した経験がある田中さんは、高橋さんへの感謝の意味を込め、漫画化を決意したという。構想から発刊までに約1年を費やし、ドキュメンタリー漫画プロダクションを設立。自社で一貫して、取材、制作、出版、販売を手掛けた。ストーリーは全て同社の書き下ろし。初巻発行後、約1年に1巻のペースで出版を継続してきた。

 田中さんは「流通に流すために出版コードを自社で取得することから始めた。制作は常時2~3人、多いときは6人のスタッフが担当していた。制作費も人件費も全て自費。この作品を守るために、漫画広告やホームページ制作などの事業を立ち上げて会社を継続してきたといってもいいくらい。ほぼ道内だけで流通している作品のため、北海道の各書店にも多大な協力を頂いてきた」と、12年間を振り返る。

 10月27日に「紀伊國屋書店札幌本店」で開催した出版記念イベントには、多くの中高生らが来場。「中高生から『この作品を読んで、将来はお医者さんになりたいと思った』と話してくれてうれしかった」と顔をほころばせる。「今後は一度休んで、また次回作を考えたい」とも。

 A5版、208ページ。価格は1,143円(税別)。

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