札幌に襤褸(ぼろ)をメーンに取り扱う店舗「SAINT」(札幌市南3条西8、TEL 011-215-0877)が2月14日、オープンした。
襤褸(ぼろ)とは江戸時代を含む約100~200年前の使い古した布。店主の原範顕さんは「日本で海外の古着やヴィンテージ好きな人は多いが日本の物が好きな人は少ない。海外のディーラーは日本の古い布を評価していた。穴の継ぎはぎがアートだと、先に格好良さに気付いていた。逆輸入のような形で自分も良さを知った 」ことから約10年前から集め出した。希少価値の高いものが多いため一気には集まらなかったが、少しずつ在庫も増え、仕入れルートも確保できたことから開店にこぎ着けた。
「札幌市内にはメーンで扱っている店はないと思う」と原さん。「昔の人は一つの布しかなかったので、穴が開いたら継ぎはぎをして使うのが当たり前。もったいないも何もない。昔の人の我慢強さ、生き方や文化が集約されている。それを伝えたかった」と思いを語る。
店舗面積は約15坪。中心価格帯は1万円~10万円、150センチ・100センチなどのぼろをそろえる。来店客の年齢層は幅広く、インディゴや古着に興味がある人など入り口はさまざま。ぼろのほかにも手仕事による民芸や熊の木彫り、アイヌ民族の衣服、海外の調理器具など「私が良いと思ったもの」(原さん)が店内に所狭しと並ぶ。
3月中旬に画像共有アプリケーション「インスタグラム」で商品の紹介を始めたところ、早速海外からの注文があったという。「アート好きな人など、自然に穴が開いた、狙ってない美しさに気付いている人が多くなってきている。札幌から世界に広めていきたい」と原さん。「店内のぼろは触ってもらって大丈夫。来店した時は分からないことは気軽に何でも聞いてもらえれば」と呼び掛ける。
営業時間は12時~20時。水曜定休