北海道発の商品をテーマにした「札幌市経済界フォーラム」が1月21日、京王プラザホテル札幌(札幌市中央区北5西7)で開かれ、地元企業の社長や専門家が北海道の魅力やマーケティングについて講演した。
当日は商品ジャーナリスト、サイバー大学客員教授で日経トレンディ発行人兼編集長の北村森さんが「道産品の“魅力”の伝え方~商品の磨き上げからマーケティング戦略までを考える~」をテーマに講演、レストラン経営や「札幌カリーせんべい カリカリまだある?」「札幌おかき Oh!焼とうきび」などの人気土産企画を手掛ける「YOSHIMI」(南6西1)の代表兼オーナーシェフ・勝山良美社長、商品購買と連動して社会貢献や寄付ができる「コーズブランド」のご当地袋麺「札幌円山動物園ラーメン(通称=しろくまラーメン)」を企画したノースユナイテッドの高橋廣行社長、上田文雄札幌市長らが「札幌発ヒット商品の作り方~我らの“マーケティング”戦略~」をテーマにパネラーとして登壇して話し合った。
北村さんは、「全国的に知らない人がいない北海道。どこにあるかと問われてもほぼ100%答えられるし、物産展などは大人気。みんな北海道になりたいと思っている。しかし、いいものがあるだけで商品が売れるほど簡単ではない」と市場の現状について語り、「必要なのは驚きを与えられる商品」として油を使わず揚げ物調理ができる「フィリップス」の「ノンフライヤー」の例、「自然発生するようなストーリーが大切」と沖縄の猟師の間で伝わる練乳を使った泡盛のカクテルの例などを挙げ、マーケティングや情報発信についての持論を展開した。
続くパネルディスカッションでは、勝山さんが「食材はいいし、いい食材からつくる加工品の品質も高い。まだまだやれることはある。海外からもっと観光客も呼ぶことができるし、魅力をアピールできる」、高橋さんが「自分が『これなら売れる』と思える商品があること、自分が心から好きになれる商品があることが強みになり、売る人のモチベーションになると思う。北海道、札幌は素晴らしいと言われることが多くても、住んでいる人はあまりその実感がない。北海道や札幌の魅力をちょっと調べて知ってみるとその土地、商品にまつわるストーリー、背景を知るとまた面白みが出てくる。『知っている』という情報量が大切になるのでは」と、それぞれの考えを述べた。
来場者の男性は「北海道というと食と観光ということがよくテーマとなるが、それを『観光客向け』として捉えるのではなく、まず地元に住む自分たちがこの地の魅力や消費、経済活動を知ること、興味を持つことが大切だと思った。自分の会社、住む街についてアピールできる点を探そうと思う」と話していた。