北海道を拠点にアートの企画・活動を行うアーティストやデザイナーらによる集団「PRAHA Project」は1月26日~27日、除雪した雪で作品を制作、展示する屋外美術展「雪のまちなか美術展『カナコ雪造カンパニー』~除雪原風景へのオマージュ~」を札幌の街中で開催する。
同展は、除雪による多大なエネルギーを「造形」のエネルギーに移行し、雪を美術作品の貴重な資源として冬の美術活動の可能性を探るという初の試み。制作する美術家集団を「カンパニー」に例え、住宅の除雪を請け負う救援活動の報酬として、金品でなく「エコマネー=善意」を回収するというユーモアな設定。除雪による「地域住民同士のコミュニケーション」=「除雪原風景」を復活させるのが狙い。
会場は、「PRAHA 2+deep sapporo」(札幌市中央区南11西13)と近隣住宅の玄関前。参加「社員」(=アーティスト)は、造形作家の藤本和彦さんやパフォーマーの祭太郎さん、写真家の瓜生裕樹さんなどのほか、学生や若手アーティストを含め約50人。当日は制作現場を公開し、目に見える造形物を作るだけでなく、「雪」をテーマにしたパフォーマンスなども。「一般の参加も歓迎」という。
26日は、ジプシーパンクやヒップホップ、ジャズ、レゲエなどを織り交ぜたバンド「Cyclub(サイクラブ)」とパフォーマーの祭太郎さんのコラボレーション企画も予定している。
同展で「社長」(=ディレクター)を務めるアーティストの遠藤歌奈子さんは「『雪で何かを作る=雪像』という固定観念をなくしたい。雪のコンディションや天候によっては、その場で考えが浮かんだりするかも」と、当日のインスピレーションにも期待を寄せる。「『除雪→造形』が都市に点在すれば、冬の雪国の街並みが美しくなるのではないか」とも。2月14日~17日には、岩見沢での開催も予定している。
開催時間は8時~20時(制作は日没まで)。