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札幌のアイヌアーティストが新アルバム 樺太トンコリと日本語で伝統を表現

新アルバム「ramu-想う-」

新アルバム「ramu-想う-」

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 アイヌ文化の継承者として札幌を拠点に活動するアイヌアーティストのToyToy(トイトイ)小川基さんが5月11日、新アルバム「ramu-想う-」を発表する。

洞爺湖の風にトンコリをあて音を響かせるToyToyさん

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 2006年にファーストアルバム「INONNO」をリリースして以来、10年ぶり2枚目のアルバム。ToyToyさんが幼いころの生活で聞いてきた音や歌、先人たちの姿や心の言葉がちりばめられているという同アルバム。アイヌとして暮らす日々の中、いじめに遭っていたToyToyさんが周りを気にすることなく過ごせたアイヌ民族の長・シャクシャインの法要の日のことを歌った「kotan(集落)」、森の中の木漏れ日や川のせせらぎ、鳥のカムイのさえずりを表現したインストロメンタル「nitay(森)」、アイヌの伝統曲をToyToyさんの言葉で説明している「名もなき唄」など、北海道の自然やアイヌの暮らしを表現した全13曲を収録する。

 アルバムはアイヌの民族楽器ムックリの音で静かにスタートし、アイヌの弦楽器トンコリをメインに日本の横笛や和太鼓の音を奏でる曲も含まれる。日本語でアイヌの心を伝え、最後の曲では日本の神楽、沖縄の三線、トンコリが音を重ねて民族の共存の始まりを表現する。今どきのサンプリング音など装飾的な音をできるだけ外して音を構成したという。

 ToyToyさんは「僕の家には多くのエカシ(おじいさん)やフチ(おばあさん)がいた。エカシたちやフチたちは体温で僕の中にアイヌ文様やウポポ(唄)を刻み込んでくれた。その先人たちの言葉をシンプルに日本語で書き下ろした一本の映画のようなアルバムを楽しんでほしい」とアルバムに込めた思いを話す。「札幌を訪れる外国人観光客が増えたが、日本に先住民族がいることはあまり知られていない。自分たちには世界にアイヌの存在を知らせる使命がある。アルバムの完成が終わりではなく、ここからがスタート」と言葉に力を込める。

 先行イベントとして5月1日から、大通ビッセ2階・ライフスタイルショップ「YUIQ(ゆいく)」でToyToyさんがアイヌ文様をデザインしているブランド「mina an ikor(ミナ アン イコル)」の新作やToyToy屋の新作展示販売イベント「ramu展~想う~」を行う。期間中、トンコリとムックリを持ったToyToyさんが来場客を迎える。会場ではトンコリ体験もできる。

 価格は3,000円。イベントの開催時間は10時~20時(最終日は18時まで)。5月8日まで。

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