クロスホテル札幌(札幌市中央区北2西2、TEL 011-272-0010)は7月23日、オープン8周年記念イベントでスタッフの新しい制服デザインを発表した。制服のリニューアルは3年ぶり。
ファッションプロデューサーの峰江卓也さんが制服デザインを、アイヌ文化継承者でアイヌ文様デザイナーToyToyの小川基さんが文様デザインを担当した。
新制服は赤と黒を大胆に使ったデザイン。男性は黒のスーツにインパクトのある赤いシャツで、胸元にオリジナル文様をあしらった赤いポケットチーフを挿す。女性用は黒と赤をパズルのように組み合わせたデザインのジャケットとスカートで、首にオリジナル文様のスカーフをあしらう。
同ホテルの十字型のロゴと伝統的なアイヌ文様を融合させたオリジナル文様を取り入れているのが特徴。アイヌ文様には「人を護る」などの意味があり、宿泊客の安心と安全を守る気持ちも制服に込めているという。
峰江さんは北海道のクリエーティブカルチャーを発信する「クリエイティブ北海道」の代表で、北海道の伝統と文化、ストーリーを持つ北海道ブランドを生み出す新たなプロジェクトチーム「mina an ikor(ミナ アン イコル)」を発足している。今年4月にはプロジェクトチーム名と同じ名称のブランドで、小川さんがデザインしたオリジナルのアイヌ文様をモチーフとしたストールの販売を始めた。
現在の制服も同ホテルオープン5周年のときに峰江さんがデザインしており、今年の冬に峰江さんが同ホテルのプランニングを担当しているクロスプランニング(中央区)のエグゼクティブプロデューサー南部修一さんに、「北海道の文化を未来へつなげるために、アイヌの伝統とアートを融合させた新たな魅力を持つ制服リニューアル」を提案したという。その際、南部さんがオーダーしたのは「振り切ったデザイン」と「大人の色っぽさ」だったという。
南部さんは「北海道の伝統と文化、クリエーターの思いがこもった制服を身に着けることで新たなサービスが生まれると思った。ホテルのスタッフが北海道のコンテンツを身に着けて情報発信していく。旅行者が本当に求める北海道ネーティブだから提供できるサービスを培っていく」と話す。
今後は運用前までにデザインの調整を行い、9月に着用開始を予定する。