札幌・テレビ塔(札幌市中央区大通西1)前の広場に10月28日、滋賀県彦根市のゆるキャラ「ひこにゃん」が登場する。今月23日から札幌芸術の森センター(南区芸術の森2)をメーン会場に札幌都心部各地で開催中の「文化庁メディア芸術祭巡回企画展 札幌展」の一環。
札幌発のゆるキャラ「コアックマ」(左)と「アックマ」(同右)
地域を生かすメディア芸術として、ゆるキャラブームの火付け役ひこにゃんのほか、札幌からはテレビやフリーハグなどで活躍中の「コアックマ&アックマ」、夕張を盛り上げるために作られ2009年カンヌ国際広告祭プロモーション部門グランプリ&PR部門金賞を受賞したキャラクター「夕張夫妻」が登場し、キャラクターデモンストレーションを繰り広げる。
「OYOYOまち×アートセンターさっぽろ」(南1条西6)で同日、同展関連のワークショップ「キャラクタークリエイションがつくる地域振興」を開催。メディア芸術を地域づくりに生かす日本ならではのゆるキャラを取り上げ、地域振興につながるキャラクター・クリエーションのさまざまな成功事例の担い手が解説する。
講師は、彦根市でひこにゃんを初期から担当している彦根市産業部観光振興課の松宮智之さんと、札幌でコアックマ&アックマなどをプロデュースし、ゆるキャラによる北海道の振興に取り組むクリエーターの須川雅史さん。
「ひこにゃんは、戦略的に広告展開を行ったわけではなくSNSなどを通じて自然とバズにつながった代表例。ひこにゃんが全国区になっていく様子を担当者自身が講演するのは初めて」と同企画をコーディネートするアートプロデューサーの岡田智博さん。「メディア芸術を使うことで地域を盛り上げるヒントにしていただければ」とも。
今月31日には「ト・オン・カフェ」(南9条西3)で『「夕張夫妻」世界に跳ぶ』も開催。財政難に直面した北海道夕張市をクリエーティブに変えたキャラクターを基に、ソーシャルプロモーションとしてのキャラクターの可能性を、実際に制作した「ビーコン・コミュニケーションズ」アソシエイトクリエーティブディレクターの三寺雅人さんが解説する。
「メディア芸術を特別なものではなく身近に感じていただけるように、札幌の街中で展示やイベントを企画した。札幌でアートに取り組む若い人たちを巻き込んで、文化を使った街づくりや地域の文化活動発展のために一緒に何かをやれれば」と岡田さん。「今回の企画で体験したことを特別なものではなく、これから身近に体験して楽しんでもらいたい」とも。
ひこにゃんらの登場は16時~16時30分を予定。各イベントの詳細はサイトで確認できる。