「食」がコンセプトの複合施設「bokashi(ぼかし)」(札幌市中央区南2西1)が10月31日、札幌市大通にオープンした。企画・運営は「マンクス・ロフタン」(中央区)。
1階はマルシェとダイニング、2階はコワーキング利用やイベント貸し出し対応スペースを備える同施設。米ぬかなどの有機物が微生物により分解・発酵し肥料化して土に還元される工程を意味する農業用語の「ぼかし」になぞらえて、食を入り口に人間社会や産業・自然環境などの既成概念を問い直し社会に還元することで、「意志ある循環社会」の形成を目指すという。
「マンクス・ロフタン」スタッフの前田碧さんは「生物の基本的な営みであると同時に、おいしく楽しい時間でもある『食べる』を通して、食べ物と人と自然などの複雑なつながりに触れられる場所にしたい」と話す。
産直マルシェとダイニングがテーマの1階「bokashi Dining(ぼかしダイニング)」の運営は「嬉楽」(同中央区)が手がける。マルシェでは、北海道を中心に各生産地から選んだ、野菜や加工品を販売する。ダイニングでは、旬の野菜をふんだんに使ったサラダやスープなどを提供する。
メニューは、「放牧豚の塩麹(しおこうじ)ロースト」、「有機ビーフの香草ハンバーグ(+250円)」、「大豆ミートの唐揚げ」からメイン1品と、「本日のデリ」、「本日のサラダ」、「酵素玄米」、「本日のスープ」が付いてくる「bokashi Lunch Plate(ぼかしランチプレート)」(1,280円)など。ドレッシングや追加でトッピングが選べる「Salad(サラダ)」(レギュラー=1,280円、スモール=780円)、デザート、単品スープも用意する。
2階のコワーキング・レンタルスペース「bokashi Base(ぼかしベース)」は、テーブル席18席、カウンター席10席を用意する。フリーWi-fi、電源を備え、本棚には食・農業・生態系に関する本をそろえる。簡易キッチンも併設し、基本的な調理器具や食器、IHコンロ、電子レンジなどを備える。
木目を基調とした内装は、割れや汚れのあるハネ板の床や、製材した後に残る樹皮の付いた部分を使った腰壁(こしかべ)など、通常の条件では廃棄されてしまう材料を取り入れる。併せて、解体後も廃棄せず再利用できるよう土壁を取り入れるなどの取り組みも行っている。
前田さんは「カフェやランチ、コワーキングなど、ぜひ気軽に立ち寄ってほしい」と呼びかける。
営業時間は、「bokashi Dining」=11時~18時、「bokashi Base」=10時~18時。