「確実にヤングケアラーを改善するセミナー」が11月10日、札幌大谷学園 百周年記念館 同窓会ホール(札幌市東区北16東9)とオンラインで開催された。主催はフクシキカク(札幌市)。
「フクシキカク」共同代表で「Mental-Consul」社長の相内雄介さんが児童福祉や生活困窮者福祉に携わる中で、ヤングケアラー世帯の中でも特に問題が深刻化しやすい傾向があると感じている、さまざまな理由から支援者とつながることが難しい「つながり困窮世帯」に重きを置いたという同セミナー。
相内さんは「当該世帯に行政機関が効果的にコミットできるよう、各部署に『共通言語』を持ってもらうことで横のつながりを強化=有機的な連携ができるのではないかと考え企画した」と話す。
当日は71人が参加。セミナーではヤングケアラーの定義の他、札幌におけるヤングケアラーの現状・課題、各地域で行われている支援や現状の課題などを紹介した。
会場を訪れた人たちからは「今まで以上に市民に寄り添いたいと思った」「自分の力量を向上してつながっていける世帯を増やしたい」「今日の話を部下と共有する」などの声が寄せられた。
相内さんは「今回はヤングケアラー世帯の課題を切り口にしたが、昨今の多様化する児童福祉課題を前に、行政も民間も福祉従事者は疲弊している状況。福祉従事者の福祉精神が、日々の激務で削られていくことがないよう、その支援効果を最大化できる手法を分析・共有していき、持続可能な福祉社会の実現に寄与することで、日本の子どもたちの笑顔を増やしていきたいと思っている」と話す。