建設業界をPRする漫画「ただいま工事中!!」が完成し、このほど、道内の全ての高校に配布された。
同作品は、建設業界に入職する若者を増やすため北海道建設業協会、北海道商工会議所連合会、建設産業専門団体北海道地区連合会、札幌商工会議所、札幌建設業協会が一体となり制作された。建設業界はピーク時である1997年に比べ2013年は約3割減少。平均年齢も55歳以上と高く、慢性的な人材不足が問題となっている。札幌建設業協会の専務理事・村井悟さんは「若い方を増やしていくのが大きな問題。高校生に業界を知ってもらう入り口になれば」と制作のきっかけを話す。今春から各団体と連携し合い、このほど完成。8万部を作り、11月7日までに道内全ての高校に1校100部、石狩管内の高校1年生には全員渡るように無償で配布した。
同作を制作したのは札幌市内で出版エージェントやウェブ事業を手掛けるエアーダイブ(札幌市中央区南8西4)。男子高校生が建設業界で働く父親の仕事現場を訪ねるところから始まるストーリーで、小学校の改築工事現場から建設業界の仕事や仕組みなどを伝える内容。全36ページ。制作期間は約3カ月間で、同社スタッフが実際に建て替えを行っている中学校の工事現場に足を運び綿密に取材を行った。同社広報担当者は「現場で働く方の声などもあり、かなりリアルになっている」と胸を張る。
11月17日からはネットでも公開。同日から3日間、北海道庁の1階で行われる建設業界のパネル展ではアンケートに回答した一般にも配布する。村井専務理事は「建設業界に関する情報は少ないのでこの作品で興味を持ってくれる入り口になってほしい。就職は本人だけではなく、家族の方の理解も必要なので作品を家庭にも持って帰って建設業界の正しいイメージを知ってもらえれば」と期待を込める。