札幌の輸入住宅施工メーカー「グローイングホームビルド」(札幌市北区篠路、TEL 011-771-0822)が創業10周年を迎えた。
同社が手掛けた札幌のレストラン「ラ・プリュム・ローズ」の店内
欧米の建築様式を取り入れた住宅建築や店舗設計などを手掛ける同社。椙山佳貴さん(46)・由美子さん(41)夫妻が立ち上げた。営業、現場管理、設計、プランニング、デザイン、資材や家具の買い付けなど、できる限り夫婦2人で業務をこなし、顧客と向き合う姿勢を貫く。
「輸入住宅は敷居が高いと思われている。なるべく自分たちで手掛けることでデザインやコスト面など、お客さまの選択の幅を広げることができる。輸入住宅の間口を広げ、一人ひとりの家づくりを大切にしてきた」と椙山さん。「家づくりは一生の思い出。輸入住宅を建てたいと思っている方は特にその思い入れやこだわりが強いので、建てて終わりではなく、建てた後も大事にしていただけること、自慢の家だと言ってもらえることが本当にうれしい」と笑顔を見せる。
10年間で一時、輸入住宅のブームで大手が多数参入した時期もあったが、現在は道内の輸入住宅専門メーカーは数も3分の2ほどに減ってしまった。「こだわりの家づくりに応えてきたことが今も続けていられることにつながっているんだと思う。皆さんに支えられてきたと実感する10年」と振り返る。
今月21日は記念パーティーを開き、関係者や「在札幌米国総領事館」(中央区北1西28)のジョエレン・ゴーグ首席領事、馬場裕美経済・商務担当ら出席し10周年を祝った。ゴーグ首席領事は「米国住宅文化や製品の周知につながることは国同士の交流のきっかけになる。北海道は北米と雰囲気も似ているので、景観にもマッチする。次の10年やその先、どのような家づくりをしていただけるのかhが楽しみ」と期待を寄せる。
椙山さんは「日本では30年ほどたつと住宅としての価値がなくなってしまうことも多いが、欧米では環境や立地によって築100年の家が築10年の家より資産価値が高いこともあるため家が長く大切にされる。住宅の価値を大切にし続ける、住宅に対する欧米のエコの考え方や魅力も伝えたい」とし、「これからは人口も減り棟数も減るかもしれないが、輸入住宅がほしいという人がいなくなることはない。今後も一人ひとりのこだわりや思いを詰め込んだ本物の家づくりを二人三脚でやっていきたい」と展望を語った。