北海道コカ・コーラボトリング(札幌市清田区)は2月5日、「さっぽろ雪まつり」の大通西5丁目会場をメーンに、北海道初の新型省エネ自販機「ピークシフト自販機」の設置を始める。
日本コカ・コーラ(東京都渋谷区)と富士電機(品川区)が共同開発した同自販機。2011年に発生した東日本大震災による電力不足、節電対策として開発に乗り出し、昨年11月に完成、先月には本州で設置を始めた。
商品の冷却は電力使用のピークである日中から夜にシフト。従来のウレタン素材から新たに「真空断熱材」を使うことで断熱効果を高めて保冷効果を向上するほか、機内の機密性も高めて冷気の漏れも減らした。これらの改善・改良で夏の日中の冷却用消費電力を95%削減し、最長16時間保冷できるようになり、ホットの商品を提供する冬季には68%の消費電力を削減することに成功したという。「真冬の北海道の一部の地域では、マイナス10~20度という外気の寒さにより商品が凍ることもあったため冷たい商品を出すはずなのに自販機を温めるヒーターを使うという矛盾もあったが、これによりその際に使う電力も削減できる」(北海道コカ・コーラボトリングの広報担当)。
外装には、1922(大正11)年にフランスの広告に起用された「ポーラーベア」を採用し、地球温暖化の進行による生息数の減少が危ぶまれる同種から環境保全や「冷たさ」をイメージ。「温暖化が進むと氷が溶けちゃうよ。」「ふむふむ。ピークをシフトしてるってこと?」「省エネさんせい!節電さんせい!」など、約12種類・60パターンのプラカードメッセージもデザインに組み込む。
大通西5丁目会場ほか、札幌地下歩行空間(中央区)、「つどーむ」(東区)に計18台設置。「さっぽろ雪まつり」大通西5丁目会場では、オープニングセレモニーとして自販機の除幕・点灯式を行う。今年中に道内1500台を設置する予定。
除幕・点灯式は11時20分から。