札幌の商業施設「大通ビッセ」(札幌市中央区大通西3)3階・4階で現在、美術家として活躍する佐藤隆之さんの個展「歓びの謳(うた)」が開催されている。
北海道の音威子府(おといねっぷ)村出身の佐藤さん。2005年ごろから作品を作り始め、以降さまざまなイベントにアートパフォーマンスなどで参加。札幌のアートイベント「さっぽろアートステージ」には2007年から2010年まで4年連続出展している。
「美術の勉強はしておらず、その分学んできた人よりも垣根がない。小さいころから自然が好きで、美術作品というよりも、街の中に溶け込んだ自然なアートが好き」と佐藤さん。
佐藤さんが手掛けるのは、「紙の彫刻」を意味する「ペーパースクラプチュア」。紙を切り立体に形作っていく。同展では昆虫のペーパースクラプチュアを多く展示する。佐藤さんの初めてのペーパースクラプチュア作品はノコギリクワガタだったという。併せて、ワイヤ・アート作品も展示。主に真ちゅうというクラフト用のワイヤを使い作品を作る。
ペーパースクラプチュアは「歓びの謳(ニホンザリガニと湧水)」「THE BUTTERFLY EFFECT」など多数の作品を展示。ワイヤ・アートは「天使の翼(歓びの謳、与える、受ける)」「ニホンザリガニ親子」など9点を展示する。
「歓びの謳の『謳』は、自分が幸せだということを世の中に高らかに伝えるという思いでつけた」と佐藤さん。「最初のころは紙で制作したクワガタなどを使い、近所の子どもと虫相撲をして遊んでいたのが、巡り巡って個展を出すまでに至った。ここにたどり着くまでにたくさんの人と出会い、つながりを持つことができたので、そういう気持ちを大切にしている」とも。
9日と15日には、佐藤さん自らパフォーマンスも行う。居合わせた来場者には、その場で制作したはがきサイズのペーパースクラプチュアを進呈する。随時ワークショップも開催。
開催時間は10時~23時(10月8日は17時まで、最終日は20時まで)。今月15日まで。