アリオ札幌(札幌市東区北7条東9)で10月1日~3日、肺年齢の啓発イベント「肺 OLD ARE YOU ? in 札幌」が開催された。
10月1日からのたばこの値上がりを機に、肺の健康状態を知る上での一つの指標となる「肺年齢」を知り、喫煙習慣の見直しや禁煙など肺の健康を考えるきっかけを与えることを目的に開催された同イベント。札幌市とファイザー(東京都渋谷区)、日本ベーリンガーインゲルハイム(品川区)が共催した。
期間中、喫煙習慣が主な原因となる肺の生活習慣病・COPD(慢性閉塞性肺疾患=慢性気管支炎・肺気腫)について理解を深めてもらおうと、無料の肺年齢測定や実際の年齢に比べて肺年齢がどれだけ若いかを競う「肺年齢コンテスト」も行われた。
2日にはギネス認定員が立会い、会場に展示された世界最大級の肺模型の測定が行われた。結果は、高さ5メートル2センチ、幅5メートル78センチでギネス世界記録と認定され、同時に授与式が行われた。
同日、上田文雄札幌市長による「さっぽろMU煙デー」宣言のほか、プロボクサーの内藤大助さん、西村正治北海道大学大学院医学研究科呼吸器内科学教授によるトークセッションも行われた。
上田市長は「たばこは吸う人だけの問題ではなく、周囲の人に悪影響を与える副流煙の問題もある。札幌市では受動喫煙防止や完全分煙に対する取り組みを行っているが、さらにその意識を高めてもらうために毎月3日を『さっぽろMU煙デー』とした」と話した。
内藤選手は「若いときにはたばこの害の話をされてもピンとこなかった。でも今の自分には小さい子どもがいるので、自分の子どもが周りの人のたばこの煙を吸うのは嫌だなと思う」とし、「家族や子どものことを考えれば、たばこを止めようと思っている人は絶対に止められるはず」と思いを語った。
トークセッションの中では内藤選手の肺年齢測定も行われた。内藤選手は現在36歳だが、本人は自分の肺年齢を20代と予想。しかし測定結果は53歳。内藤選手ががっくりと肩を落とす姿に、会場からは笑いと驚きの声が上がった。
西村教授は「肺年齢というのは『息を吐き出す力』を1秒量で計算している。内藤選手はもともと肺が小さいのでこの結果だったが、息を吐き出す力はものすごかった。15歳~20歳は誤差範囲内なのであまり気にしなくても大丈夫」と内藤選手をフォローした。「たばこは『百害あって一利なし』。最近は喫煙者だけでなく受動喫煙のせいで肺がんになってしまう人もいるので、札幌市の受動喫煙防止・完全分煙の取り組みをぜひ応援したい」とも。