札幌のコワーキングスペース「ドリノキ」（札幌市中央区南1西4）を拠点に活動する若手クリエーターらが新しいタイプのクラウドファンディング・プラットフォーム「crage（クラゲ）」を開設し、10月27日に運用を始めた。

大通公園の木製ベンチ塗り替えボランティアエプロン製作の資金調達も

　特徴は、支援するプロジェクトの対象がビジネスなど大きなプロジェクトまではいかない小規模である点と、カフェなどの飲食店（スポット）を利用して支援する方式になっている点。スポットがサポーターとプロジェクトオーナーを結び、一緒にまちづくりに参加できる仕組みになっている。

　支援方法は、同ファンドの登録店で提供している協力メニュー（crage商品）注文の際、サポーターのスマートフォンか店頭の端末から「crageサイト」にアクセスし、支援したいプロジェクトを選ぶだけ。通常通りに登録店で料金を支払うと、購入金額の一部が支援金としてプールされていくシステムだ。crege商品は、コーヒー、ココア、コーヒー豆、ピザ、ハニートーストなど店ごとに異なる。

　各プロジェクトには募集期間と目標金額が設定されており、期間内に目標金額に達成すると成立となり、プロジェクトをスタートできる。プロジェクトの設定によって、サポーターの支援金額に応じて何らかの「オカエシ」が発生することもある。目標金額に達しなかったときは不成立となり、プールされた支援金は全額、札幌市円山動物園に寄付され、「オカエシ」は発生しない。

　現在エントリーされているプロジェクトは3つ。来春4月予定で実施する大通公園の木製ベンチを塗り替えるボランティアで使うエプロンの製作費とデザイン費を調達する「大通公園の肌荒れベンチたちを塗り替えたい！」、寒い冬でもゴミ拾いを行うボランティアチーム「green bird（グリーンバード）」に温かいコーヒーをプレゼントする「まちをキレイにしてくれるチームにサンクスコーヒーを！」、「札幌発の新食感！『Smash Potato』を食べよう！作ろう！」（準備中）。

　現在のスポットは、中央区にある「～tilde～」「Veggyの家」「cafe perico」「Sweets Bar Melty」「Herb Kitchen -JIRIRITA-」「寿珈琲」「FISHMANS MARUYAMA」「kitchen nest」で、さらに協力店を追加していく予定。

　プロジェクトチームは、カフェ経営者、コピーライター、グラフィックデザイナー、システムエンジニアなど6人から成る。代表の大阪匡史さんは「市民が気軽にまちづくりに参加できるように考えた。コーヒーを飲んでそれぞれのライフスタイルにマッチしたプロジェクトを支援し、一緒にまちづくりを楽しんでほしい」と参加を呼び掛ける。