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札幌の飲食店「ピンチョス」、メニュー絞り3品に-開店4年目の「決断」

焼き鳥定食

焼き鳥定食

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 札幌・中の島通り近くのカフェ&レストラン「Pinchos」(ピンチョス、札幌市豊平区中の島1条7、TEL 011-820-5227)が2月中旬、開業から4年目を迎え、数十品あったメーン料理を3品に絞った。

「ラジャスタンカレー」

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 2009年12月に開業した同店。店主の近藤拓也さんは焼き鳥店で15年以上の経験を積んだベテランで大の焼き鳥好き。「街の居酒屋ではなく、お客さん一人一人とコミュニケーションを取りながらカフェのようにゆったりとした空間で焼き鳥を楽しめる店を作りたい」として独立した。内装は木を基調にした温かみのあるカフェ風の空間に仕上げた。

 開業当初は「多様なニーズに応えられるように」と、焼き鳥をメーンにパスタ、定食、肉料理、魚料理などさまざまなメニューを展開していたが、友人から薦められたというピザ屋「ピッツェリア・ダ・マッシモ」(白石区川下2条5)に行って「衝撃を受けた」とし、メーン料理を3品に絞った。「その店で提供するピザは『マルゲリータ』『マリナーラ』の2種類のみで、そのピザが本当においしくて感動した。なぜ2種類しかないのか尋ねると『自分1人でやっている店なので力を注げるとしたらこの2種類』ということだった。その言葉は自分の考えを根底から覆した」と近藤さん。「今までおいしいものを作っている自信はあったが、自分1人でさまざまな料理の仕込み・調理をしているうちにそれだけで精いっぱいになっていた。これまで以上に一品一品のクオリティーにこだわったり腕を上達させたりする余裕がなかったことに気がついた」という。

 結果、メーン料理を「焼き鳥丼」「ラジャスタンカレー」(980円)、「焼き鳥定食」(4本=980円、7本=1,280円、10本=1,580円)に絞った。「僕は焼き鳥を焼くのが本当に好きなので、焼き鳥のメニューは残した。焼き鳥は技術職だと思っていて、ぎりぎりの焼き加減を攻めるのがポリシー。目で見極めるのではなく耳で焼き加減を『聞き極める』のが調理法として自分に染み込んでいる。ラジャスタンカレーは、この店の前のテナントだった『スリランカ狂和国』『アジアンスパイス』のオーナーからの直伝の一品で、試行錯誤してようやく提供を許可された一品。人気もあり、思い入れのあるメニューなので残した」とし、「これまでの3年間の積み重ねを壊したときに自分から何が出てくるかを試してみたい」と意気込みを見せる。

 「メニュー改定から3週間がたち、メニューが減ったことにお客さん全員がいい顔をするわけではないが、一品一品の質を上げることができた自信も手応えもあり、それに応えてくれるお客さんもたくさんいる。メーンが3品しかないからお客さんが来ないのは理由にならない。今回の挑戦を後押ししてくれたお客さんに本当に感謝して、これからも腕を磨き、お客さんに喜んでもらいたい」と話す。

 営業時間は、ランチ=11時30分~15時、ディナー=17時~22時。木曜定休。駐車場7台。

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