札幌グランドホテル(札幌市中央区北1西4)は11月20日より、宴会場のパーティー料理として一部で提供し「好評」だった「たらば蟹カレー」を1日10食限定で同ホテル東館1階レストラン「ノード43° ザ・ダイニング」で提供している。
「たらば蟹カレー」は、フランス料理界の称号「レ・ディシプル・ド・オーギュスト・エスコフィエ」を授与した同ホテルの小泉哲也総料理長が考案。宴会場で開催されたパーティー料理のスポットメニューとして提供し、利用客から「好評を博した」のがきっかけ。地元の主婦層やホテル周辺のサラリーマン、OL、道内外の観光客をターゲットに1日10食限定のテスト販売を行い、将来的には定番メニュー化を目指す。
今回レストランで提供するにあたり、盛り付けなど提供方法を模索。試作・試食を繰り返し、女性客を意識した盛り付けを採用した。オホーツク海沖で獲れたタラバガニの足の付け根にあたる間接部分の身を塊のまま使用。型で抜いたご飯の上に焼きタラバガニを載せ、彩りにナス、パプリカ、ブロッコリーを添えた。タラバガニの殻をつぶし、野菜とチキンブイヨンで2日間じっくり煮込んだソースは、濃厚な味と甘みが特徴。価格は、サラダ、3種類の薬味付きで1,600円。
料理講習会で講師を務めていた小泉総料理長は、講習会で使用した大量の毛ガニの殻を捨てるのを見て「殻でカレーを作れないか」と考えたのが、今回の「たらば蟹カレー」のきっかけ。幼少期に地元小樽で食べたというカニカレーをヒントに、専門のフランス料理の技法を用いてオリジナルの「たらば蟹カレー」を考案したという。小泉総料理長は「ソースを作るときに、カニの風味、香りと一緒に独特の甘みが出る。甘みを越えると苦味に変わるため、タイミングが難しい」と話している。
同ホテルの広報担当者は「煮込み料理は特に、ホテルの伝統的な技、歴史がある。本格的なフレンチのシェフが作るこの『たらば蟹カレー』は、インパクトもあり、思い出深い味になるのではないか」と話し、同ホテル発の新しい北海道名物料理となるのを目指すという。
営業時間は11時30分~14時。12月31日まで。