
当社は、4月1日を夢を発信する日にしようとするApril Dreamに賛同しています。このプレスリリースは「ハーテック・バイオセクター株式会社」の夢です。

【私たちの原点】取り戻したい「満開の収穫」 (王林リンゴの花)
今そこにある「シカによる食害の現実」
北海道では、エゾシカによる農業被害と交通事故(ロードキル)が深刻な社会課題となっています。
令和6年度、農業被害は年間約52.7億円、ロードキルは6,705件、車両修理費は平均約62万円にのぼると公表されています。
しかし、この数字の裏にあるのは「お金」だけではありません。人の命。そして、野生動物の命です。
「……かつてはね、この倉庫に入りきらないほどリンゴが獲れたんだよ」
札幌市南区の果樹園で聞いたこの言葉が、私の原点です。
シカに芽を食われ、樹皮を剥がされ、傷ついた果樹。

【被害の実態】樹皮が完全に剥がされ、立ち枯れの危機にある果樹。
その木を見つめる背中から伝わってくる、言葉にならない悔しさ。
この問題は単なる被害ではなく、「続けてきた人生」が失われていくことだと実感しました。
もともと私は専門家ではありませんでした。
あるお客様から「シカの被害で困っている。相談に乗ってくれないか」と声をかけられたことが、すべての始まりでした。
そこから、試行錯誤の日々が始まりました。シカの生態を学び、雪原の足跡を追い、何を恐れ、何を避けるのかを観察し続けました。
その中で出会ったのが、北海道環境バイオセクター株式会社の技術でした。 ヒトデ由来の天然成分「マリンサポニン」には、光に反応して紫外線を放つ特性があります。一方で、シカは人間には見えない紫外線を鋭く認識できる動物。この二つが結びついたとき、新たな可能性が見えました。

【技術の核心】天然の忌避成分を持つ「ヒトデ」
【技術の核心】抽出された「マリンサポニン原液」。
「恐怖ではなく、光で境界を伝えられないか」その仮説を確かめるため、北泉開発株式会社様のご協力をいただき養鹿牧場で検証を行いました。
忌避テープに近づいたシカが足を止め、進路を変える。出入口で侵入をためらう様子。
また、これまで確認されていたフェンスへの衝突も、見られなくなりました。
個体差はあります。しかし、確かに「見えている」という変化がありました。
モニターを通じてシカの挙動を観察していた時、その反応を見て抱いた「これならいける」という確信。それこそが、私たちが製品化へと踏み出す最大の原動力となりました。
ヒトデから抽出した「マリンサポニン」がシカに本能的な警戒心を抱かせ、さらに独自の「光」の技術が視覚的にその足を止めさせる「Deer Block」忌避テープの製品化を進めました。
個体差はあっても、彼らには確かに「見えている」。光によって、シカたちが自発的に「ここから先へは進めない」という道を選んでいるのです。

【光るメッセージ】人間には見えず、シカには「鋭い光」として見える(シカから見た「Deer Block」忌避テープのイメージ図)
この自然界の忌避メカニズムを最大化させることで、シカを傷つけることなく、人と動物の適切な距離を保つことが可能となりました。

【検証成果】テープの前で立ち止まるオスシカ。
入口へ向かうメスシカ、(下)実証に使われた「Deer Block」忌避テープの外観。確かにシカには「境界」が見えている。
紫外線という、人間には見えずシカには見える『光』を媒介にすることで、環境景観を損なわずにメッセージを伝えることができます。
私たちの技術は、電気柵のような強力な防壁ではありません。
しかし、阿寒の牧場や、札幌・壮瞥の果樹園などでの実証を通じて、私たちは「棲み分け」の可能性を信じています。
100%の遮断は難しくても、「ここには入らないでほしい」という境界は、光で伝えられるのです。
私たちの会社理念は、「人と動物との共生、地球環境を大切にし、お客様と共に新しい価値を創造する」ことです。
シカが増えたのは、私たち人間が彼らの生活エリアを侵食したことも原因の一つでしょう。
だからこそ、一方的な排除ではなく、ヒトデの力を借りた「優しい境界線」を形にしたい。
現在は、北海道道東地区の国道において、ガードレールへマリンサポニン含有インクを塗布し、実証実験を進めていただいております。

【実証】国道沿いのガードレールにインクを塗布。
【実証】雪原の足跡は、衝突を避けガードレールと並行に歩いた跡。
雪原の足跡からは、ガードレールを無理に越えず、並行して移動する行動が確認されました。
地域からは「ヒヤリとする場面が減ったように感じる」という声も届いています。
私たちの技術は、強制的に防ぐものではありません。
しかし、「ここから先には行けない」という選択を、シカ自身に委ねることができます。
傷つけるのではなく、気づかせる。それが、私たちの考える「優しい境界線」です。
だからこそ、排除ではなく共生を。約52.7億円の被害を減らすこと。ロードキルをゼロに近づけること。農家の方がもう一度、あの倉庫を収穫でいっぱいにできる未来を取り戻すために。
4月1日。私たちの夢をここに宣言します。
人も、野生動物も、どちらも犠牲にならない未来をつくる。 光でつくる「優しい境界線」を、北海道から世界へ。
これは、エイプリルフールの嘘ではありません。私たちの、本気の夢です。