画像の説明:左からエレベーターに向かう導線に向かって敷かれた歩導くんガイドウェイの上を白杖をつかって歩いている様子。銀座線三越前駅改札でて近くにある「日本橋案内所」入り口に敷かれた歩導くんガイドウェイ
家電製品のゴム部品製造において高い国内シェアを誇り、大阪・関西万博の夢洲地盤改良にも携わった錦城護謨株式会社(大阪府八尾市、代表取締役:太田泰造)は、2025年2月1日・2日に東京都中央区日本橋室町で開催された視覚障害者用歩行支援ツール実証実験「ワクワクプロジェクト」に参加しました。
本実証実験の詳細はこちら:https://www.kinjogomu.jp/news.html#20250122
錦城護謨は、ゴム製歩行誘導マット「歩導くんガイドウェイ」、トイレ誘導ライン「ガイドレット」、仮設用歩行テープ「ココテープ」の3製品を用い、日本橋室町三井タワー内のトイレまでの誘導およびトイレ内誘導、エレベーターまでの誘導、案内所までの誘導サポートを行った。
使用者からは「以前よりよく認識できた」「他の支援技術と組み合わせることでより分かりやすくなった」と好感触を得た。
画像の説明:スタッフからの説明を受けた後、歩導くんガイドウェイを頼りにエレベーターへ向かう様子
2024年4月に「障害者差別解消法」の改正により、合理的配慮の提供が民間企業でも義務化された。これにより、視覚障害者を含むすべての人が快適に移動できる環境を整備することは、もはや特別な配慮ではなく、社会全体の責任であるべき時代が来ている。
錦城護謨は2007年にバリアフリー推進課を設立し、創業89年のゴム部品製造技術を活かした開発力と技術力を強みに、視覚障害者の移動支援および関連ビジネス展開に取り組んできた。同社が製造・販売している「歩導くんガイドウェイ」「ガイドレット」「ココテープ」は、合理的配慮の実現を後押しするツールとして、今後さらに社会に普及していくことが期待される。
画像の説明:左から誘導マットとテープを頼りに日本橋室町三井タワー内のだれでもトイレへ向かう参加者と、実施後にアンケートを伺う様子
バリアフリーの推進は、もはや一部の企業や団体だけが担うものではなく、社会全体で取り組むべき課題である。誰もが迷わず、安全に移動できる未来のために、企業の技術力だけでなく、バリアフリーの重要性を理解し、積極的に実践していく意識の変革が求められている。
錦城護謨では今回の実験結果をもとに製品改良を進め、視覚障害者の快適性向上と不安軽減に貢献する。
シリーズ累計1200か所以上に導入。既存の建物に対応可能なユニバーサルデザインの誘導路
画像説明:両面テープで貼る仕様の「歩導くんガイドウェイ」を設置している様子
『歩導くんガイドウェイ』は、視覚障害者の歩行を安全に誘導するゴム製の誘導マット(屋内専用)。白杖で叩いたときの音や足裏の感触で目的地まで導くことができ、表面は凹凸がなく、なだらかな傾斜により、視覚障害者だけでなく、車いす利用者や高齢者、ベビーカー利用者もスムーズに移動できるユニバーサルデザインの誘導路である。
両面テープで簡単に設置でき、既存の施設にも柔軟に対応可能。これまでに公共施設、病院、オフィスビルなど、1200か所以上(※)に導入されている。
※導入実績(https://guideway.jp/settijisseki/)同社調べ
設置方法:ピータイルや長尺シートなど多くの床材に対応
■Webサイト:https://guideway.jp
88%が困っていた実態に対応ー『ガイドレット』で解消する視覚障害者のトイレ内問題
画像の説明:バリアフリートイレ内の導線を確保するために入り口からトイレまで敷かれたスティック型のマット「ガイドレット」
バリアフリー化が進む中で約88%の視覚障害者がトイレ内のレイアウトに困っている現状を受け(※)、それをサポートするために開発されたゴム製のトイレ誘導ラインである。ユニバーサルデザインの専門家である田中 直人(島根大学 客員教授)と老田 智美(鳥取環境大学 環境学部環境学科 准教授)との共同開発によって誕生した。
この製品は、長さ250×幅50mmのスティック型マットを誘導線に沿って設置し、視覚障害者の安全かつスムーズな移動を支援。設置方法は歩導くんガイドウェイと同様に、両面テープを使用し、床を傷つけることなく既存の施設にも簡単に導入できる。
※ 「移動方法からみた視覚障害者の施設内トイレ利用実態- 視覚障害者のユニバーサルデザイントイレ環境に関する研究 その2 -」/老田智美(大和大学), 田中直人(島根大学), 山崎 達也(錦城護謨), 日本建築学会大会学術講演梗概集, 2021.09
気軽に必要な場所に必要な時だけ使えるー視覚障害者歩行テープ『ココテープ』
画像の説明:カットしたココテープを床面に貼り付けている
視覚障害者の歩行をガイドするためPLAYWORKS株式会社と共同で企画開発した、幅48mmの塩化ビニル製屋内専用テープ。携帯性に優れ、カバンに入れて持ち歩き、必要な場所に必要な時だけ貼ることで、視覚障害者の自主的な移動をサポートする。
仮設利用を基本とし、特定の場面や場所で手軽に使用できるため、普段使いの移動から緊急時まで幅広く対応できる。
■Webサイト:https://coco-tape.jp
会社概要
画像の説明:本社工場、大阪支店外観
創業89年を迎える錦城護謨は、家電製品のゴム部品製造で国内トップシェアを誇り、土木事業では2025年の大阪・関西万博の会場地 夢洲の地盤改良工事にも携わる。
創業以来培った「技術力」を基に、自動車、スポーツ用品、食品関係、医療機器など多様な分野で活躍し、大手メーカーのパートナーとして人々の暮らしを支えている。近年では、屋内専用のゴム製視覚障害者用歩行誘導マット「歩導くんガイドウェイ」を主力製品とする福祉関連事業や、割れないゴムのグラスで話題の自社ブランド「KINJO JAPAN」での新製品開発を通じて、世界展開にも挑戦している。
企業名 :錦城護謨株式会社(読み:きんじょうごむ)
代表者 :代表取締役社長 太田泰造
創業 :昭和11年5月
事業内容:工業用ゴム部品の生産・販売、軟弱地盤改良工事(設計・施工・管理)、視覚障害者歩行誘導マットの製造販売・施工、自社ブランド「KINJO JAPAN」での新製品開発事業など
Webサイト:https://www.kinjogomu.jp