人口減少や高齢化が進む中、全国で一番多い1,000人を超える「地域おこし協力隊員」の方々が日々活動されている北海道。北海道庁では、2023年6月に「地域おこし協力隊サポート推進室」を設置し、道内の隊員の方々や隊員希望者、市町村をサポートするため、各種研修会の開催や募集情報の一元的な発信など様々な取り組みを実施しています。
このたび、北海道庁の出先機関である日高振興局は、2月9日(日)に東京ミッドタウンホールで開催される「第8回地域おこし協力隊全国サミット」の「地域おこし協力隊・自治体ブース」に出展します。出展ブースでは、地域おこし協力隊員の活動内容の紹介や、隊員募集のPRなどを行う予定です。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000017.000132907.html
また昨日の投稿でもご紹介した「おためし地域おこし協力隊」や「地域おこし協力隊インターン」。これまで多くの方々が、地域おこし協力隊や移住へのステップとして本プログラムに参加いただきました。今回は、これまで参加されてきた方々のインタビューを掲載させていただきます。
<「おためし地域おこし協力隊」参加者>
小野 敦さん、田中 匠さん:和寒町(わっさむちょう)
https://www.town.wassamu.hokkaido.jp/affairs/2024/03/08/iju-kyoryokutai/
●自分たちで収穫した野菜の美味しさに感動。「おためし地域おこし協力隊」での体験が大きな決め手に
それぞれ、2022年12月(田中さん)、2023年8月(小野さん)に『おためし地域おこし協力隊』に参加し、2024年3月に協力隊員になりました。2人とも農業支援員として協力隊に任用され、任期終了後の新規就農を目指して活動しています。地域おこし協力隊制度を2010年度から活用している和寒町で、農業分野での活用は初めてとのことです。
「以前から農業に興味があった中で、転職を考え始めてから足を運んだ就農相談フェアで和寒町のブースを見学。そこで『おためし地域おこし協力隊』のことを知り、早速、和寒町のおためしに参加することにしました。農業活性化センターの案内でホップの収穫を行ったことや、試験ほ場で収穫した野菜が大変おいしかったことが印象に残っています。和寒町の雰囲気や住民の皆さんの親切な人柄なども含め、おためし参加の体験をきっかけに、和寒町の協力隊への応募を決めました。 “働いている人”、“転職に踏み出せない人”にお勧めだと思います!」と小野さん。1年目は小松菜とミニトマトを生産しつつ、地元でのつながりを深めながら、任期終了後は町内での就農を目指しています。
「知人の農家さんから営農できる生涯年数などを教えられ、早く就農した方が良いと考えるようになりました。和寒町のおためしに参加した際、農家さんの話を聞きながら越冬キャベツの収穫作業を見せてもらったことや、農業活性化センターで収穫した野菜の美味しさに大変感動したんです。そこから、和寒町の協力隊の応募を決めました。和寒町は景色が良くて住むのにちょうど良い規模で、近くのスキー場はたくさん滑ることができ、人当たりや雰囲気が良い町です!」と、任期終了後は特産のかぼちゃを作付したいと語る田中さん。すっかり和寒町の虜になっているようです。
<「地域おこし協力隊インターン」参加者>
関西外国語大学/中野 佳恵さん:上士幌町(かみしほろちょう)
https://www.kamishihoro.jp/page/00000088
●「すべての若者が都心に出る必要はない。多様な働き方や暮らし方があっても良いと思いました」
実は上士幌町としても初めてのインターン生だったという中野さん。上士幌町の中高生の自学自習のサポートや大学生との対話を行う教育プログラムに参加したことが「地域おこし協力隊インターン」に参加したきっかけだったそうです。中野さんは「教育はすぐに数字に現れる取り組みではないと思いますが、行政が教育に価値を感じて、このようなプログラムを実施している上士幌町はステキな町で、貴重だと感じました。また4日間のプログラムだったのですが、もう少し長く、北海道や上士幌町に関わりたいと思いました。地域で暮らすこと、働くことで見えてくる町の姿や町民の皆さんを見てみたいと感じました」とコメント。インターン受入先の教育委員会の皆さんにも大変助けられたそうです。
そんな「地域おこし協力隊インターン」では、中野さんは上士幌高校の公式インスタグラムの運用を行いました。高校の授業や放課後をして、インスタグラム投稿用の素材集めや、授業風景や部活動の様子の撮影、上士幌高校の先生インタビューの作成を行ったほか、その他の活動として、上士幌高校の生徒との交流会を実施しました。「上士幌町で今回教育に携わりましたが、別の地域で同じようにできるとは限らないと思いました。そして今回のインターンをきっかけに、全ての若者が都心に出る必要はなく、若者が地域にいることも大事であり、多様な働き方や暮らし方があっても良いと思いました」と中野さん。インターン後も北海道を回り、仕事だけではなく、暮らしや人の繋がりも見て、自分は地域で何をしていきたいのか選択肢を広げていければと考えているそうです。
<「地域おこし協力隊」卒業生>
蛭川 有裕さん:鹿部町(しかべちょう)
https://www.town.shikabe.lg.jp/soshiki/kikaku_shinko/gyomu/9/540.html
●きめが細かくて甘い味に衝撃を受けて、新たな特産品を開発
前職は写真スタジオを経営していた蛭川有裕(ひるかわ ありひろ)さん。奥様の故郷での子育て環境を考えたことがきっかけとなり、2021年4月から2024年3月までの任期で就任。鹿部町企画振興課政策推進係で広報誌などの写真撮影や、鹿部町の特産品開発の業務を担当していました。商品開発のきっかけは、初めて食べた鹿部前浜産のホタテの美味しさ。きめが細かくて甘い味に衝撃を受け、この美味しいホタテを色々なアレンジで商品化してみたいという想いで、試行錯誤を繰り返し、開発した商品が「ホタテのアヒージョ」(地元でしか取れない昆布の旨みを活かしたホタテのオイル漬け)でした。
鹿部町の海で揚がったベビーホタテと鹿部近海でしか採れない幻の「白口浜真昆布」を使ってオリーブオイルで煮詰めた、鹿部のホタテと昆布を使用した新ブランド〈ココシカ〉「ホタテのアヒージョ」。100%鹿部町の海から生まれ、まさに自然が与えてくれた海の恵みです。開発秘話として、白口浜真昆布を入れた途端に「味が起きた」と形容する味になったそうで、幻の昆布の力を改めて感じたとのこと。そしてワイン好きの蛭川さんがこだわったもうひとつはワインとの相性。様々なオリーブオイルを試し、調理方法も試行錯誤した結果、現在のものが最高のマリアージュになったと自信を深めていました。鹿部町の道の駅「しかべ間歇泉公園」で絶賛販売中。また新たに函館湯の川温泉 海と灯(うみとあかり)や函館空港でも近日中に販売予定です(町のふるさと納税の返礼品にもなっています)。
■北海道地域おこし協力隊 ポータルサイト
https://hokkaido-chiikiokoshi.jp/
※「おためし地域おこし協力隊」概要
期間:主に2泊3日
現住所の条件:特になし
住民票の異動:不要
活動内容(例):行政、受入地域等関係者との顔合わせ 地域の案内、交流会 地域協力活動の実地体験 など
※「地域おこし協力隊インターン」概要
期間:2週間~3か月
現住所の条件:地域要件が適用
住民票の異動:不要
活動内容:地域おこし協力隊と同様の地域協力活動に従事
その他:1人1活動日あたり1.2万円を上限に国から財政措置がされる