プレスリリース

【ウポポイ】恵比寿でアイヌ文化を見て、聞いて、触れた一日。東京公演 カムイとアイヌの物語「イノミ」開催レポート

リリース発行企業:公益財団法人アイヌ民族文化財団

情報提供:















公益財団法人アイヌ民族文化財団(札幌市中央区、常本照樹理事長)が北海道白老町で運営するウポポイ(民族共生象徴空間)は、東京・恵比寿ガーデンプレイス内ザ・ガーデンホールで伝統芸能上演「イノミ」を含む特別公演を、2025年3月5日(水)に開催しました。公演は昼の部と夜の部の2公演行われ、総来場者数が1,000名を超える大盛況となりました。
「イノミ」とは、アイヌ民族の世界観を表現したウポポイオリジナルの舞台です。熊の霊送りの儀礼「イヨマンテ」を題材に、ストーリー性のある演出で伝統の歌と踊りを披露し、来場者にはアイヌ文化を見て・聞いて・触れて楽しんでいただきました。今回はその模様についてお伝えいたします。
開催概要を見る(ウポポイWEBサイト)
計1,000名以上が来場!俳優・山田杏奈さんがトークイベントに登壇前日に大雪に見舞われた東京都内でしたが、当日は足元の悪い中にもかかわらず、ファミリーやご夫婦での来場も多く見られ、様々な世代の方にアイヌ文化への理解を深め、体験していただくことができました。





第1部は特別講演「カムイとアイヌの物語」、第2部は伝統芸能上演「イノミ」の構成となっており、第1部の講演では、アイヌ語・アイヌ文学の研究者であり、「ゴールデンカムイ」の漫画・アニメ・実写化作品でアイヌ語・文化監修を務めた中川裕先生(千葉大学名誉教授)からアイヌ文化について解説いただきました。ウポポイPRアンバサダーであり、実写版「ゴールデンカムイ」ではヒロインであるアイヌ民族の少女・アシ?パを演じた俳優の山田杏奈さんも登場し、ふたりでアイヌ語の物語「カムイユカ?(神謡)」についてのトークを繰り広げました。





イベントの様子
▼第1部 特別講演「カムイとアイヌの物語」
第1部の開幕と同時に中川先生が登壇し、まずアイヌ文化の中で重要な概念である「カムイ」とは何なのか、人間を取り巻くカムイという存在や、その発音(単体で発音するときはアクセントが「ム」にくる)について紹介。そんなカムイから様々なものを受け取り、感謝を送って暮らしてきたアイヌ民族の生活は、「神様と人間」の関係性というのとは少し違い、互いに恩恵を与えあうもの。そしてカムイユカ?は、「カムイが自分の体験をうたう」という形式の語りです。つづく、山田さんとのトーク内では中川先生が高い声で「パウッパウッ」と吠えるような表現を披露し、何の鳴き声かクイズを出題する場面も。山田さんは「キツネ?」と一発で正解にたどりつき、会場を驚かせていました。





▼第2部 伝統芸能上演「イノミ」
「イノミ」は全編アイヌ語で進み、背後のスクリーンに「サケカ? ウポポ(酒づくりの歌)」、「カムイノミ(儀礼/カムイへの祈り)」といったワードが投影され、そのとき舞台上で何が表現されているのか、見て聞きながら考える構成です。伝統的な口琴「ムックリ」の演奏は、草原を駆け抜ける風や、水面に落ちていく雨、あるいは厳しい吹雪や金色に輝く日差しを表現した音に聞こえ、自然現象やその時の感情等を音で表現する姿には多くの来場者が関心を寄せていました。
また、クライマックスにあたる「イヨマンテ リ?セ(熊の霊送りの踊り)」の場面では出演者の声が何層にも重なり、会場全体に響きわたりました。





アイヌ語や文化を体験できる様々なコンテンツを実施
ホール内のホワイエでは、来場者にアイヌ文化を体験していただくため、アイヌ文様が刺しゅうされた衣服をまとい「イランカラ?゚テ」とアイヌ語のあいさつでお迎えし、アイヌ語や文化に触れる様々なブースを用意しました。各ブースではウポポイスタッフが説明やレクチャーをしたり、来場者にアイヌ語で話しかけたりなど、多くの来場者とスタッフが直接コミュニケーションをとることができました。
▼展示・体験伝承されてきた工芸品などが並ぶ「アイヌ文化展示」、アイヌ語の発音やフレーズを紹介する「アイヌ語特別ブース」、ウポポイをリアルに感じる「ウポポイ没入型シアター」、Tシャツやマスキングテープなどを扱うショップなど多くのブースを展開しました。





特に工芸品などを紹介する「アイヌ文化展示」には、木綿や樹皮で作った衣服、木製の食器や儀礼具、生き物の皮で作った道具をいくつも展示し、そのほとんどが触って手触りを確かめることができました。サケの皮の靴「チェ?゚ケ?」は、多くの来場者が足を止めて手に取り、外側はザラザラ、肌に触れる内側はスルスルとした手触りに関心を寄せていました。また、アイヌ語で繰り広げられる舞台をより深く楽しむためのアイヌ語解説や、公演のテーマになっている「イヨマンテ」を学ぶパネルも会場に展示。多くの方が熱心にそれぞれのブースをまわり、工芸品などに触れ、そしてたくさんのことをスタッフにたずねる様子が見られました。








■来場者のコメントたった3時間ほどの体験でしたが、アイヌ文化についてとても大切な要素を教えてもらった気がします。北海道のウポポイへ行けば、きっとさらに深い学びが得られるに違いないなと思いました。札幌や、新千歳空港からもアクセスが良いらしく、東京から3時間ちょっとで行けるってことで、意外とそんなに遠くないんですよね。過ごしやすい春が来たら、思い切って行ってみようかなと思います。



イヤイライケレ!スイ ウヌカ?アン ロ
ご来場ありがとうございました。またお会いしましょう。
■EXPO2025大阪・関西万博でもアイヌ文化に触れることができます
EXPO2025大阪・関西万博会場において、様々な地域のアイヌ民族が参加し、各地域に伝わる多様なアイヌ古式舞踊※を披露するイベントや、アイヌ工芸品等の展示・実演等のイベントを行います。アイヌ文化に触れるために、ぜひ万博会場にもお越しください。
※アイヌ古式舞踊:2009年ユネスコ無形文化遺産に登録
▼アイヌ舞踊の披露
会場:EXPOホール「シャインハット」
開催日:2025年5月17日(土)
時間:13:30~オープニングセレモニー
公演:13:55~/16:00~/18:10~(各回約70分)
※観覧席の予約が可能です(当日は自由席もございます)
※申込期間:2025年4月17日(木)~5月9日(金)
詳細は、EXPO2025デジタルチケット購入サイトをご確認ください。
https://ticket.expo2025.or.jp/




EXPOデジタルチケット購入サイト

▼イランカラ?゚テ~アイヌ文化をウポポイから~
会場:ギャラリーEAST
開催期間:2025年6月10日(火)~12日(木)
※来場予約は不要です
ウポポイ(民族共生象徴空間)について



アイヌ文化の復興・創造等の拠点として2020年に北海道白老町にオープン。道内初の国立博物館「国立アイヌ民族博物館」、アイヌ文化を五感で感じる体験型フィールドミュージアム「国立民族共生公園」、アイヌ民族による尊厳ある慰霊を実現するための「慰霊施設」からなり、豊かな自然に抱かれたポロト湖のほとりで、触れる、体験する等さまざまな角度からアイヌ文化や歴史を体感いただけます。



ウポポイ俯瞰図※イメージ

公式ウェブサイト:https://ainu-upopoy.jp/
公式Instagram:https://www.instagram.com/ainumuseumpark/
公式Facebook:https://www.facebook.com/upopoy/
公式YouTube:https://www.youtube.com/@upopoy

所在地:〒059‐0902 北海道白老郡白老町若草町2丁目3
電話:0144-82-3914(代表)
アクセス:JR白老駅から徒歩約10分。新千歳空港から高速道路または列車利用で約40分。
入場料(税込):一般大人1,200円、一般高校生600円、中学生以下無料
※20名以上に適用の団体料金あり
※有料の体験プログラムや博物館の特別展示の料金は含みません
開園時間:9:00~17:00
※時季により変動あり
閉園日:月曜日および年末年始、月曜日が祝日の場合は翌日以降の平日
※特別な開園日、長期閉園日あり
開業日:2020年7月12日
指定法人:公益財団法人アイヌ民族文化財団

  • はてなブックマークに追加

札幌経済新聞VOTE

コンビニでおにぎりを買ったら…

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース