東日本大震災で被災し、道内に避難・移住した避難者に家具などを無料提供するイベント「ようこそあったかい道(どう)」が4月9日、白石本郷会館(札幌市白石区)で開かれる。リサイクル店「モノココ」などを経営するルーツ・オブ・ジャパン(豊平区)の湊源道社長が企画し実行委員会を結成。同委員会では現在、避難者の参加と支援企業の協力を呼び掛けている。
同委員会の協力要請を受け、札幌市は厚別区などの市営住宅に入居する避難者55世帯、道営住宅に入居する35世帯に案内文書を送付。会場まではボランティアが車で送迎するという。「白石区は、かつて東北地方にあった白石藩からの開拓者によって作られた土地。その東北から北海道に避難して来た方々が『よそ者感』を感じないように歓迎し、もてなしたい」と湊さん。
これまでに準備したものは、テーブルやタンスなど3トントラック1台分の中古家具、うどんやそばなどの食料、理髪店の無料券や本郷通商店街で使える金券など。そのほか、避難者のためにすぐに面接可能な求人情報も紹介する。実際に宮城県から避難し同社に入社した元保育士の本間紀伊子さんは避難者の子どものために紙芝居などを企画しているという。
「現在、避難者のためにすしを握りに来てくれる海産会社など、ジャンルを問わずさまざまな企業から問い合わせをいただいている。既に札幌へ来た避難者の方が、新しく来る避難者のために今回のイベントに協力したいという申し出も頂いている」
「現在、北海道に避難している避難者は何の生活道具もない団地に入り孤立している状態」と湊さん。「北海道は実質的な被害こそ少なかったものの観光や飲食店のダメージは甚大で、このままでは北海道経済そのものがダメになる。今こそ『世界一優しい島国・北海道』をアピールし、積極的に避難者の方を受け入れ、支援することで北海道を元気にしたい。北海道が元気になれば、日本も元気になるはず」と意気込みを語る。
参加・協力などの問い合わせは同社(TEL 011-859-6445)まで。今回のイベントでは支援のスピードが重視されるため、個人からの支援は受け付けていない。