今年で5回目となる「札幌国際短編映画祭(通称=SAPPOROショートフェスト、以下SSF)」が10月6日から、札幌市内の各会場で始まる。メーン会場となるのは「ホワイトロックシアター」(札幌市中央区大通2)で、そのほか、オールナイト上映会場=「札幌東宝プラザ」(中央区南2条西5)、レイトショー会場=「シアターキノ」(中央区南3西6)など。
今年は87の国と地域から2,781本の応募があり、その中から選ばれた82のコンペティション対象作品と、特別上映作品などを含む全100作品以上を上映する。コンペティション対象作品から2つのグランプリと19の審査委員賞、オーディエンスアワード、映画祭特別審査賞などを選ぶ。審査員を務めるのは、オスカー賞受賞作「レインマン」(1989年)の脚本を手がけたバリー・モローさん、「花とアリス」「リリィシュシュのすべて」などの作品を手がけた映画監督・岩井俊二さんら5人。
コンペティション対象作品の上映は、「フィルムメーカー」「インターナショナル」「ナショナル」「ファミリー&チルドレン」のプログラムが組まれている。そのほかの作品を特別上映する「スペシャルプログラム」なども。
フィルムメーカープログラムでは、45分以内に収めた複数本のプログラムを上映。各監督の作家性や独自性を発見できるのが同プログラムの特徴。今年のコンペティション対象作品に選ばれたのは世界各国の監督7人の作品。カメラとデジタルアートを駆使した「実験映像」をベースに作品を上映するフランソワ・ヴォーゲル、ステファン・ラヴォワ(フランス)らの作品を上映する。
インターナショナルプログラムでは、「女性におすすめ」「人間模様」「芸術+娯楽」「笑いとイマジネーション」「映画好きもビックリ」のコンセプトごとに5つのプログラムを用意。海外から集めた36作品を上映する。
ナショナルプログラムでは、小説家・星新一さんのショートショート「無料の電話機」を映像化した作品や、「日本古来の伝統やデザインを継承した架空の未来」を舞台にした、水野美紀さん主演の作品「KARAKURI-カラクリ-」など日本人の作品を集めた12作品を上映。
ファミリー&チルドレンプログラムでは、アニメーションを中心に、日本と海外から集めた9作品を上映。「『ファミリー&チルドレン』というプログラムだが、大人が見ても懐かしく感じたり、楽しめるプログラムになっているので子ども以外も見に来てほしい」と広報担当の師田さん。
コンペティション対象作品以外の作品を上映する「スペシャルプログラム」では、今年から初の試みとして成人向け作品の特集やドキュメンタリー、北海道にゆかりのある作品を上映する「北海道セレクション」などのプログラムを組む。
そのほか岩井俊二さんのショートフィルム上映会とトークイベントや「レインマン」の脚本の裏側、ハリウッドの脚本の裏側を語るバリー・モローさんのトークイベント、3D映像作品に関するセミナーやワークショップ、ショートフィルムの取引を行うマーケットなどを展開する。「マーケットも行う短編映画祭は日本では珍しい。文化として根づいて産業として確立させることで新たな可能性や才能の発掘につながってほしい」と師田さん。
スペシャル企画として会場のリポートや監督インタビューをUSTREAMで中継するほか、過去4年間で人気の高かった作品、アワード受賞作品なども上映。
師田さんは「短くても価値観を変える出会いや音楽があるように、短編映画にもそんな面白さがあると思う。当映画祭は短編ならではの奥深さや味わいを体感するにはぴったりの機会。5周年となる今年はノミネート作品以外にも楽しめるコンテンツをさまざま用意したので、ぜひ足を運んでもらいたい」と来場を呼びかける。
チケットは、前売り1プログラム=1,000円、3プログラム=2,400円、VIP回数券=8,000円など。札幌東宝プラザ、シアターキノなど各会場、プレイガイドで販売している。今月11日まで。