狸小路商店街のカジュアル衣料品店「紅屋」(札幌市中央区南2西2)が、12月27日に閉店する。
1949(昭和24)年に開店し、今年で66年目を迎えた老舗衣料品店。1980年代に流行した「ボンタン」など変形学生服を販売した当時は、地元の「やんちゃな」学生が訪れる店として有名で、最盛期には札幌地下街など市内に7店舗展開。狸小路の店舗も各階150坪ほどの面積があった。
現在は各階約80坪に、1階には主に女性向けのシャツ、セーター、冬物コート類、2階には男性向けのTシャツ、ボトムス、ジャンパー、雑貨などをそろえる。現在、全商品3~7割引きで販売しているが、完全閉店するため価格はさらに下げていく予定だという。
同店では創業50周年を期に、50円商品を並べるなどする創業祭を開始。毎年、創業月の10月末に創業年数に合わせて、55円、60円などの値付けをする企画が人気で、今年も66年創業祭を行った。閉店までの期間も創業年にちなんで660円などの値付けの商品を並べる。
閉店の経緯について、同店の矢口雅人部長は「狸小路商店街を訪れる若い人が減り、郊外の格安衣料量販店や通信販売に押されて売り上げが落ちてきて、今年3月に閉店を決めた」と話す。「66年やってこられたのもお客さまのおかげ。店はなくなるが、紅屋を思い出の中に残してほしい」とも。
来店した40代の男性会社員は「高校生の時によく通っていた。なくなると聞いて会社帰りに寄った。閉店は残念」と肩を落とす。
閉店後は年明けに解体され、跡地にホテルが建設される予定。