「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」の概要を発表する会見が1月16日、「アートホテルズ札幌」(札幌市中央区南9西2)で行われた。
映画を通した地域振興、映画文化の発展を目的に掲げ、北海道・夕張市で1990年に始まった同祭。同市は2007年に財政破綻し当時は存続も危ぶまれたが、市民や映画関係者、民間企業らのボランティアや協賛により存続。今回で23回目を迎える。
今年は市内8会場・11スクリーンで過去最大となる計115作の上映を予定。過去最大規模で1万3000人の動員を見込む。「一歩その先へ」をテーマに掲げ、新たにコンペディション部門を設け、同祭を登竜門とする「才能発掘」に力を入れるほか、夕張市には映画館がないが、「映画館がなくても映画を上映できる」というモデルケースとなるべく、フィルム上映は行わず全作品デジタル上映を行い、「VFX(ビジュアルエフェクツ)」を使ったアーティスト作品も取り入れるという。
上映作品は、劇場公開前のプレミア作品を上映する「招待作品部門」をメーンに、公募作品の中からえりすぐりの10作を上映・コンペする「オフシアターコンペティション部門」、短編作を集めた「インターナショナル・ショートフィルムショウケース部門」、同祭が「おすすめ」する作品を上映する「ゆうばりチョイス部門」、日本映画を中心とした「フォアキャスト部門」、協賛・共催企画、市民上映などを予定。オフシアターコンペティション部門には映画監督・塚本晋也さんも審査委員に加わる。
同祭実行委員長・澤田宏一さんは「人口も1万人を切ろうとし日本一少子高齢化が進む夕張だが、日本一若い市長と共に再生に向けて歩んでいる。今年も子どもから大人まで楽しめるラインアップで自信を持って開催できる。映画という娯楽の力で盛り上げたい」と意気込む。夕張市・鈴木直道市長は「今年は本格的に返済を始める年。『一歩その先へ』という今年のテーマにも連動したものになる。多くの映画ファンの方に足を運んでいただきたい」とそれぞれ意気込みを見せた。
今年のイメージソングは、昨年のヒット映画「モテキ」で「物語はちと?不安定」が挿入歌に起用され、フェスやライブで話題を起こした「N’夙川BOYS(ン シュクガワ ボーイズ)」が新たに「FUN HOUSE」を書き下ろした。
開催期間は2月21日~25日。「アディーレ会館ゆうばり」をメーン会場に、夕張市内各会場で上映する。