北海道の漬物のチャンピオンを決める「T-1グランプリ2011」グランプリ大会が12月11日、「サッポロファクトリー」(札幌市中央区北2条東4)アトリウム・イベントホールで行われた。企画は、農業人材派遣事業、アグリ事業、北海道物産セールス事業などを手掛けるHMカンパニー(北5条西5)。
道内各地からオリジナルの漬物を募集し、隠れた名品を発掘。日本の伝統文化である漬物の文化を次世代に継承するとともに、野菜の普及を目指す同イベント。
「個人の部」には、応募192作品(道内認定大会エントリー数含む)の中から、道南・道北・道央・道東で行われたブロック大会を通過した、各ブロックのグランプリ1作品、優秀賞2作品を合わせた計12作品がエントリー。今年新たに設けられ、すでに店頭販売している商品、これから販売を検討中の作品を対象とした企業向けの「法人の部」では15作品がエントリーした。
当日は、特別審査員5人と一般来場者約200人(個人の部・法人の部、各約100人)が実食審査による投票を行った。「当日は漬物好きの高齢の女性や、カップル、ファミリー、若い女性など幅広い来場があった。反響は予想以上で、用意した食材が間に合わなくなり、食べられない方もいたほど」と同社・同大会実行委員の横田さん。
個人の部・グランプリを受賞したのは、道北ブロック大会で優秀賞を受賞した近江春枝さん(小平町)の「サラダ風ニシン漬け」。そのほかの受賞作品は、酢漬け部門賞=「ヤーコンのサワー茶漬け」(中山小百合さん)、色彩部門賞=「雪化粧漬け」(能正郁子さん)、創作部門賞=「モッツァレラ野菜とチーズのみりんかすみそ漬け」(遠藤美保子さん)、伝統部門賞=「玄米三五八の素de 野菜浅漬け」(稲場征子さん)、なまら北海道部門賞=「まるひろ大根のちーみそ&乳清漬け」(船橋啓子さん)。
法人の部・最高金賞を受賞したのは、「ガツンと辛い山わさびかす漬け」(大地のりんご)で、金賞は、「マッコリ漬け」(田中酒造)、「雪の華」(北日本フード)、「季節野菜の漬物ゼリー」(大雪山)、「宴の彩り」(健信)、「鮭のはさみ漬」(香貴)が、それぞれ受賞した。
「前大会は書類審査が基本で、グランプリ大会のみ実食審査を行ったが、今回はブロック大会からグランプリ大会に至るまで全て実食審査を行ったので、どの作品もクオリティーが非常に高く、その分接戦となり審査も押した」と横田さん。「道内4ブロックを設けたことで、各地域の地域性が表れるさまざまな作品を網羅できた。札幌に居ながら、全道のいろいろな漬物文化を知り、実際に食べられるいい機会になったのでは」とも。
個人の部・グランプリ作品と法人の部・最高金賞は共に来年1月15 日、東京タワー(東京都港区)で行われる全国決勝大会に出場。全国大会には、北海道ブロックほか、東日本、中部、西日本、九州・沖縄の各ブロックでグランプリを受賞した作品が集まり、日本一が決定する。
横田さんは「北海道は全国に比べ、歴史上、漬物の文化が浅いので全国大会では苦戦を強いられるかもしれないが、だからこそ北海道の新しい文化として頑張ってもらいたい」とエールを送る。