札幌時計台(札幌市中央区北1条西2、TEL 011-231-0838)で5月31日、アートイベント「時計台をARTする。」が始まった。札幌に拠点を置き芸術文化活動を行うNPO法人「h.i.p-a」(ヒップ・エー)」と札幌時計台が企画した。
1878(明治11)年、クラーク博士の構想により札幌農学校の演武場として建設された時計台。札幌市内の「新さっぽろギャラリー」や紀伊国屋書店札幌本店、中島公園内の日本庭園、豊平館、資料館などを舞台に「日常をARTする。」展を企画してきた同NPOが、今回は時計台の保存と活用を目的に「時と歴史」をテーマにした作品を展示する。
「札幌の文化施設に足を運ぶのは観光客ばかり。地元市民にも、もっと札幌の文化や歴史を知ってもらいたい」と話すのは同NPO監事の今野さん。札幌市としても、「観光客や市民から受ける時計台のイメージを変えたい」という思いがあったという。
展示作品は、時計台が持っている歴史や物語、イメージ、役割など、時計台にまつわる素材を使い、道内や札幌で活動するアーティストたちが中心となり制作。「重要文化財である時計台の建物や雰囲気を害さない」という制約を受けながらも、温故知新の考えを基に時計台の「時と歴史」をくみ取った映像、彫刻、インスタレーションなどの作品を展示する。
参加アーティストは、川上りえ・国松希根太(彫刻家)、Morgan Wong・冨田哲司・石黒翔(ビジュアルクリエーター)、Barry Ashworth(写真家)、こんのあきひと(写真家、フォトグラフィックインスタレーター)、MIN×MIN(空間インスタレーター)、ATELIER-MURA GALLERY・草月北海道支部・草月SYC(生け花)。
「観光客だけでなく、地元の方にもぜひ足を運んでもらいたい。アートを通じて、札幌市民が自分の住んでいる街を知るきっかけになれば」とも。
開催時間は8時45分~17時10分(入館は17時まで)。入館料は大人200円(中学生以下は無料)、屋外は観覧無料。6月6日まで。