2014年から工事を進めていた札幌市営の路面電車のループ化工事が完了し12月20日、営業運転を始めた。
新たにレールが敷かれたのは西4丁目からすすきの停留場間の約400メートルで、全長約9キロとなった。新設区間には、「狸(たぬき)小路」(内回り・外回り)と「西4丁目」(外回り)の停留場を新設。路面電車が歩道側を走行するサイドリザベーション方式を採用したため、利用者は道路を横切らずに乗車できる。
ループ化に伴って電車の運行表示が変更になり、これまでのすすきの発西4丁目行きが「【外回り】循環」へ、西4丁目発すすきの行きが「【内回り】循環」となる。運行間隔は工事前の運行間隔を維持する。
営業運転開始の前日の19日は市電ループ化を祝い4丁目交差点(南1西4)を歩行者天国として開放し、開業記念イベントを開いた。1958 (昭和33)年に開業した札幌の路面電車の歴史を伝える映像や、新型低床車両ポラリスA1200形、54年前にデビューし現在も現役運行するM101号(1961年製)の展示、Xマス限定でペイントされた車内で中央図書館セレクトの本の読み聞かせなどが行われた。
出発式では秋元克広札幌市長ら関係者がテープカット後、ループ化区間を体験試乗。当日は抽選で当選した市民100人の記念乗車も行われた。
同工事は超高齢社会に向けて、人に優しいまちづくりの一環として利用者の利便性の向上を図り、都心の回遊性を高めるための取り組みとして2013年にループ化事業に着手していた。
乗車運賃は従来と同じ大人170円、子ども90円。