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札幌の着付け師とパーカッショニストがクラブ系「着付け舞」 和文化を発信

「Kitsuke-mai

「Kitsuke-mai "Across the…"」の1シーン

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 札幌の着付け師・鈴木奈苗さんとデジタルパーカッショニストのKENGObeatsさんがコラボレーションした着付けパフォーマンス動画「Kitsuke-mai "Across the…"」が7月5日、ユーチューブで公開された。

作品中のKENGObeatsさん

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コンセプトは「しなやかさ」と「はかなさ」。KENGOさんが作曲したオリジナル曲をBGMに、鈴木さんが着付け舞を、KENGOさんがパフォーマンスを行う全4分20秒の映像作品。昨年7月に行われたTEDxSapporoのレセプションパーティーで鈴木さんとKENGOさんが出会ってから、1年がかりで完成させた。

 鈴木さんは小林豊子着物学院で着付けを指導する講師。年に2回程度ステージで着付け舞を披露する機会があるが、既存の曲が今の時代にフィットしていない違和感があったという。「曲を何とかしたい」という思いがあり、作曲家を探していた。

 たまたま知人に誘われて参加した「TEDxSapporo」で三味線パフォーマーの忍弥さんのプレゼンテーションに出会い、「この人だ」と思ったという。忍弥さんとは話すことができず、忍弥さんと一緒にステージに立っていたKENGOさんに思いを伝えたところ、「面白いですね」と返事があったという。その後もやり取りを続ける中で、「日本の伝統文化の美しさと繊細さを保ちつつ時代に合わせていきたい。僕はもっと日本の文化の格好良さを伝えたい」と、鈴木さんと同じ思いの返事が来たという。そこから2人の共同作業が本格的にスタートした。

 最初の曲は約半年で完成したが、曲を作る中で鈴木さんの音楽の好みを知り、着付け舞に対しての見方が変わってきたKENGOさんはそれを破棄。最終的に完成したのは、ゆっくりした静かなテンポから始まり、途中からアップテンポへ変わる曲。「奈苗さんの好きなクラブ系やロック系の要素を入れてチャレンジしたかった」とKENGOさんは話す。「曲待ちが長かった。2人の妥協点を見つける作業だった」と鈴木さんは振り返る。

 映像の撮影場所は、1880(明治13)年ごろに建築された第2代北海道庁長官・永山武四郎の私邸で、和洋折衷様式の先駆けとなった「旧永山邸」(中央区)。純和風書院座敷と洋風応接室の両方を使って撮影したという。明るさとシルエット、和と洋を織り交ぜながら、着付け舞を軸に2人のメリハリあるパフォーマンスが進行する。

 鈴木さんは「これは着付けの映像作品。着物が分からない人が、格好いいと思うものを作りたかった。撮影のために絵付師の知人に作ってもらった着物にも注目してほしい。今後もプライベートな活動として、伝統文化を伝えていきたい」と目を輝かせる。

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