札幌市立大学・4年の齊藤美雪さんのアイデアを実現した市内のアート作品を巡るアプリ「ぶらりさっぽろアートMAP」が無料配信されてから約1カ月がすぎた。開発はたま(札幌市西区山の手1条5丁、TEL 011-640-6420)。
札幌の街中に点在する彫像などアート作品や散策ルートを紹介する同アプリ。103点のアート作品が地域別に分けられ、作品名・アーティスト名や解説などの情報に加えて場所が地図で表示される。また、作品に沿った散策ルートも多数紹介し、徒歩や距離付きで案内される。GPS機能と連動することで自分の位置とアート作品の場所を明確にした。作品情報は「札幌彫刻美術館友の会」が協力した。
同アプリは札幌市立大学・デザイン学科デザイン学部の齊藤さんのアイデアだ。齋藤さんは昨年に開催された「さっぽろ学生ITアイデアコンテスト2013」にアイデアを応募して、優秀賞に輝いた。アート作品を学び、アート好きな齋藤さんは「札幌の中心部には意外とアート作品が多いが、素通りされてしまうのでもったいないと感じていた。注目される手段としてアプリを思いついた」と発想の原点を語る。優秀賞に輝き「書類審査を通ってプレゼンに進むこともまさかと思った」と驚いたという。
GPS機能を使ったアプリを開発していた「たま」の松浦伸也社長が偶然、コンテストの審査員を務めていたことから約半年での実現に至った。「プレゼントの中ですぐ実現可能と感じた」と社長の松浦さん。齋藤さんは大学で学んだ知識を生かし、大通公園とテレビ塔をモチーフにしたトップ画面とアイコンのデザインを担当した。「アプリを使って散歩しながら街中のあの場所にもあるんだね、とアート作品を注目してほしい」と呼び掛ける。今夏に開催される札幌国際芸術祭2014に連動した機能のアップデートを予定している。
アプリは無料。iPhone、iPad、iPod touchに対応しており、App Storeからダウンロードできる。