札幌市は12月17日、札幌市営地下鉄などで使えるプリペイド式の共通乗車券「ウィズユーカード」を来年5月末で販売終了すること、同10月を目途に地下鉄運賃を値上げする方針を固めた。
ウィズユーカードは、札幌市営交通(地下鉄・市電)、札幌市内のジェイ・アール北海道バス、じょうてつバス、中央バスなどで使うことができる乗車券。同乗車券は使い捨てのため、廃止により4年間で約26億円の制作費を削減できる見込み。2015年3月末で利用を打ち切り、2020年3月末で払い戻しの手続きなども終える予定。廃止に伴い、同市が発行するICカード乗車券「SAPICA(サピカ)」の利用を広めていく狙いだ。
ウィズユーカードは1,000円~5,000円券で10%、1万円券で15%の割り増し利用分が付与されるため、「定期より安いのに」「買いだめしよう」などの声や、期間や数量限定の絵柄を印刷したカードを手に入れられなくなることに「寂しい」という声が上がっている。
SAPICAは、紛失時の再発行、改札時の時間短縮による混雑緩和、領収書の発行を無人で行えること、一部コンビニなどでは電子マネーとして使うことができるが、インターネット上では1万円券購入時の差額500円分について批判する声が圧倒的で、「Kitaca」「Suica」と違い、道外では使うことができない点なども出張の多いビジネスマンにとって悩みの1つになっている。
運賃の値上げは、来年4月からの消費税率引き上げ背景に行われるもの。地下鉄、市電からバスへ乗り継ぐためのシステム改修が間に合わないなどの理由から、4月時点での値上げは見送り、半年ほど遅らせる。その間の料金は据え置き。具体的に値上げする区間などは現在検討中。
札幌市営地下鉄の利用者数は年間2億人。来年度以降の市民の足だけでなく「懐事情」にも
影響しそうだ。