北海道は11月1日より、エゾシカ食肉事業協同組合と共同で札幌、江別の17店舗の飲食店で「エゾシカ料理まつり」を開催する。
道内では、エゾシカの個体数が増加、分布域を拡大し、年間約30億円の農林業被害が深刻な問題となっている。道は、生態系や自然環境を守るため計画的な個体数の調整と有効活用を推進。エゾシカ肉の普及促進の一環として初の企画を考案した。エゾシカ肉は、低カロリーで高タンパクのほか、鉄分や銅などミネラルが豊富でヘルシーな食肉。これまでに、ホテルやレストラン、観光地などで高級食材として提供されてきた。今回の企画をきっかけに、エゾシカ肉の食材としての認知度を高め、「食べる機会の創出」を図る。
道は、札幌市内の飲食店を対象に「エゾシカ肉100%のひき肉を使用」「道産食材とセットで使用」「定価1,000円前後」の3要項で参加店を募集。札幌・中央区を中心とした8区、小樽、江別の計17店舗の飲食店が応募した。レストランをはじめラーメン店、カフェ、パン屋、カレー店、学食などさまざまなジャンルの飲食店が参加する。
会期中、酪農学園生協食堂(江別市)を除く参加店16店でスタンプラリーを開催。スタンプ1個から応募でき、食事券や生パスタなどを抽選でプレゼントするほか、スタンプ数上位5人(多数の場合は抽選)には、一般には流通していない「家庭用エゾシカ肉セット」をプレゼントする。
道の担当者は「まずは近くの店でパンフレットを見て、好みの店に行って料理を楽しんでもらいたい」と話している。「一過性のもので終わらせたくない。今後は、今回の参加店舗を中心に民間主体の活動としてサポートできれば」とも。11月21日まで。