株式会社メカノクロス(本社:北海道札幌市、代表取締役CEO:齋藤智久、以下「メカノクロス」)は、既存投資家を含む計8社からの資金調達に成功しました。今回のラウンドには、既存投資家であるインキュベイトファンド株式会社、QBキャピタル合同会社、株式会社北洋銀行に加え、新たに5社が参画しました。新規投資家は、リード投資家であるXTech Ventures株式会社をはじめ、Spiral Innovation Partners株式会社(ゆうちょ Spiral Regional Innovation Fundを運営)、Angel Bridge株式会社、三菱UFJキャピタル株式会社、北海道ベンチャーキャピタル株式会社です。
これにより、本調達を含む累計資金調達額(融資・補助金を含む)は約10億円に達しました。今回の資金は「1.商用反応装置の開発および量産体制の構築」ならびに「2.受託合成企業との協業」に活用し、スペシャリティケミカル分野におけるメカノケミカル有機合成技術の早期商用化を加速します。
以下、投資家コメント;
? XTech Ventures株式会社
インベストメントマネージャー 荻野公平この度、有機合成の革新的技術を有するメカノクロスに投資させていただきました。私も元々研究者として大学や企業で有機合成の研究をしておりましたが、当時より、研究現場では大量の溶媒を用いる必要があり、その結果、化合物の設計や実験オペレーションに多くの制約や負荷が伴っていました。メカノクロスは「溶媒を使わずに有機合成を行う」という、有機合成の根幹を変える技術を持ち、前述した有機合成の不を解消し、医薬品・ディスプレイ・化粧品などの開発を根本から変える可能性を秘めています。有機合成の新たなグローバルスタンダードを築くことを期待しており、投資家として微力ながら成長に貢献してまいります。
? インキュベイトファンド株式会社
General Partner 本間真彦創業時より支援してきたメカノクロス社が、このたび強力な共同投資家を迎えることとなりました。インキュベイトファンドとしても追加投資を実施しています。過去1年間で、顧客製造プロセスへの導入と量産準備を並行して大きく進展できたのは、機動力に富み、技術とビジネスのバランスが取れた筋肉質な経営体制の成果です。日本発のメカノケミストリー技術が世界の化学業界・医薬品業界をクリーン化していきます!
? Spiral Innovation Partners株式会社※ゆうちょ Spiral Regional Innovation Fundを運営
シニアアソシエイト 高尾 亮(上)/アソシエイト 鳴海 航(下)反応の複雑性に起因して有機合成へのメカノケミストリー技術の実装には難しさがあるものの、メカノクロスではアカデミアでの研究シーズを土台として既に豊富な合成ライブラリーを有しております。また、昨年から開発及びビジネスのチームアップを着実に進められ、開発パイプラインについても力強い拡大と進捗をされてきた点も高く評価させていただきました。日本の競争力が高いと言われてきた素材/材料産業も転換期を迎える中で、脱炭素や新規材料合成の文脈において当社技術がブレイクスルーの起点となると考えており、弊社としても多面的かつ全力で支援して参ります。
? Angel Bridge株式会社
代表パートナー 河西 佑太郎(上)/ディレクター 八尾 凌介(下)この度、株式会社メカノクロスに投資させていただきました。メカノクロス社は、メカノケミカル有機合成分野の第一人者である伊藤肇先生・久保田浩司先生の研究を基にした世界トップレベルのサイエンスと、同分野のフロントランナーとして築き上げてきた事業面における圧倒的な優位性の両面を兼ね備える稀有な大学発スタートアップです。伊藤先生の研究室出身であり技術への理解が深く、事業会社での経験も豊富な齋藤智久CEOが、強い情熱を持ち事業を牽引していることもメカノクロス社の魅力です。有機溶媒をほとんど使わないメカノケミカル有機合成により、従来合成を断念せざるを得なかった新規素材の開発や既存反応における大幅なコスト削減を実現し、新たな可能性を切り拓きます。国内外の化学産業イノベーションに向けてメカノクロス社のフルポテンシャルが発揮されるよう、Angel Bridgeとしても全力でご支援してまいります。
? QBキャピタル合同会社※「NCBベンチャーキャピタルと共同で運営するQB第二号投資事業有限責任組」より出資
インベストマネージャー 川太規之メカノクロスさんは、幅広い産業で使用される基幹技術(有機合成)に革新をもたらし、ゲームチェンジャーとなる可能性があります。昨年のシードラウンドより事業として大きく進展し、日本の大学発技術が世界をよりよく変えることに近づいたと感じ、今回追加出資できましたことを嬉しく思っております。地方の優れた大学技術を発掘し、スタートアップによる事業化を目指すという弊社コンセプトに合致する案件として、引き続きメカノクロスさんとご支援してまいりたいと考えております。
? 三菱UFJキャピタル株式会社
投資第一部 次長 色川 将吾メカノクロスが有する独自技術は、既存の産業構造に革新をもたらし、社会的課題の解決に直結する大きな可能性を秘めていると確信しております。特に、高い技術力を背景にしながら、社会的意義の大きいテーマに果敢に挑戦する経営陣の姿勢には強い共感を覚えました。今回の出資を通じて、同社が持続的な成長を遂げ、産業界に新たな価値を創出していくことを確信しております。今後もパートナーとして共に歩み、その発展に貢献できることを大変光栄に思います。
? 北海道ベンチャーキャピタル株式会社
ファンドマネージャー 佐藤弘道メカノクロスさんは、北海道大学発のスタートアップとして国内のみならず世界に羽ばたけるポテンシャルを有しており、同社が北海道大学とともに開発したメカノケミカル有機合成の技術により、有機溶媒の使用量の大幅削減や、従来は作れなかった新規素材の開発を実現し、その成果が広く普及することで、社会に大きなプラスのインパクトを与えることを強く願っております。弊社も地元のVCとして、今回、出資者の一翼を担わせていただきますが、ファンドの主要出資者である北海道銀行とも常時連携しつつ、メカノクロスさんの成長を密接にサポートしてまいります。
? 株式会社北洋銀行 ※「北洋SDGs推進3号投資事業有限責任組合」より出資
ジュニアエキスパート 倉西章夫化学業界のゲームチェンジャーになりつつある当社が、北海道から生まれたことを地元金融機関として大変誇らしく思います。設立以来順調に事業を拡大されており、昨年に続き、北洋SDGs推進3号ファンドで追加出資させていただきました。融資、出資、助成金の資金面での支援に加え経営人材の紹介と、地元金融機関として引き続き多面的にバックアップさせていただければと思います。北海道のディープテックスタートアップのロールモデル、そしてユニコーン企業へ成長されることを心から期待し、応援しています!
以下、メカノクロスコメント;
? 株式会社メカノクロス
代表取締役CEO 齋藤 智久このたび、従来からご支援いただいている投資家の皆様に加え、新たに5社の投資家様にご参画いただき、資金調達を実施いたしました。今回の出資は、弊社の掲げるビジョンや事業の方向性に深く共感いただいた上でのものであり、大変心強く感じております。特に、今後需要が一層高まると予想されるメカノケミカル有機合成技術の製造プロセス構築や、海外市場への技術展開において、今回ご参画いただいた投資家の皆様は、確かな知見とネットワークを活かして力強くサポートしてくださるパートナーであると考えております。弊社は、これらの投資家様と緊密に連携し、資金面だけでなく戦略面や事業開発面でも協力しながら、技術の社会実装とビジネスの拡大を加速させてまいります。今後も、国内外の多様な産業領域において新たな価値を創造し、持続可能な化学プロセスの普及を推進してまいります。
以下、メカノクロス企業紹介;
? メカノクロスについて
メカノクロスは現在、メカノケミカル有機合成技術の社会実装を目指し、国内外の製薬・化学メーカーと連携して技術導入の実証を進めています。本格的な市場参入は2026年以降を予定しており、すでに多くの企業から高い関心と引き合いをいただいています。
本技術は、有機溶媒をほとんど使用せずに有機合成を行えるため、脱炭素対策やコスト削減の面で従来プロセスより優位性を持ち、高い反応性と環境適応性を兼ね備えています。また、溶媒を使用しないことにより、従来は合成が難しかった不溶性・難溶性化合物にも対応でき、半導体・ディスプレイ・電池材料など先進素材の性能向上にも貢献が期待されます。
この技術は、2018年に北海道大学・伊藤研究室で開始された研究に端を発します。伊藤肇卓越教授と久保田浩司准教授が中心となり、7年かけて技術を磨き上げ、溶媒を使わない有機合成という革新的手法を世界トップレベルにまで高めました。
現在、メカノクロスは北海道大学との連携に加え、複数の企業と共同研究・協業を進めています。今後は、メカノケミカル有機合成の量産化技術を確立し、企業によるプロセス導入を本格的に支援してまいります。
? メカノケミカル有機合成反応について
メカノケミカル有機合成は、反応工程に必要な石油由来の有機溶媒を大幅に削減し、環境負荷を軽減できる技術です。従来の有機合成では、原料の100倍以上の溶媒を使う場合もあり、反応後にそれらを燃焼または廃棄処理する必要がありました。
弊社は、メカノケミカル有機合成技術の社会実装を通じて、化学プロセスの脱炭素化とグリーンな化学の実現を目指しています。この技術は、有機溶媒をほとんど使用せずに反応を進めることができる、環境負荷の低い革新的な合成手法です。
従来の有機合成は、100年以上にわたり大量の有機溶媒を前提とした手法が“当たり前”とされてきました。これに対し、弊社技術は機械的刺激による攪拌を用い、極めて少量の溶媒で従来と同等の反応を再現可能にします。
さらに、本技術は幅広い有機合成反応に適用でき、北海道大学工学研究院・伊藤研究室(伊藤肇教授〈弊社取締役〉)を中心に、多様な反応系での実証が進められてきました。これまでに数百件に及ぶ反応・化合物の合成実績があり、特に今回の協業で焦点を当てる不溶性/難溶性化合物の合成では、豊富な知見と成果を有しています。
? メカノケミカル有機合成の訴求効果について
メカノケミカル有機合成は、医薬品や化学材料の合成で広く用いられるカップリング反応において、従来の溶液反応に比べて多くの利点を持つ技術です。具体的には、二酸化炭素や廃棄物の排出削減、不溶性化合物を利用した新規化合物合成の可能性拡大、高い生産性などが挙げられます。これらの特長から、学術的にも高い関心を集めています。
※下記図中の数字は、弊社開発実績および顧客の声を反映した数字
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<メカノクロス 会社概要>
企業名:株式会社メカノクロス
本社所在地:北海道札幌市中央区宮の森3条7丁目4-21
研究拠点:北海道札幌市北区北 21 条西 10 丁目
国立大学法人北海道大学内 北海道大学化学反応創成研究拠点(WPI-ICReDD)
代表者名:齋藤 智久
設立:2023年11月
URL:https://mechanocross.com
事業概要:
溶液有機合成反応のメカノケミカル化技術の開発・提供不溶性高機能材料の開発・提供上記の製造プロセス導入の実証検証、および、製造装置提供メカノケミカル有機合成関連情報発信
<本件に対するお問い合わせ>
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