AI技術で混雑を可視化し、「人と空間を、テクノロジーで優しくつなぐ。」をミッションに、施設・エリアを支えるプラットフォームを活用したサービスを提供する株式会社バカン(本社:東京都千代田区、代表取締役:河野剛進、以下「バカン」)と北海道江別市は、2025年7月12日に、大麻体育館(江別市大麻中町26番地の17)にて、「避難所マネジメントシステム」を用いた避難訓練を実施いたしました。
■目的と背景
近年の自然災害増加に伴い、避難時の混雑を解消し、スムーズで安全な避難を実現するための災害対策の重要性が高まっています。バカンはこれまでも、リアルタイム混雑情報、避難所マップの提供等を行い、実際に、200以上の自治体で、避難所の混雑可視化に用いられています。また、避難所入所受付のデジタル化の実証実験等を行うなど、迅速かつ安全な避難を包括的にサポートしてきました。
今回は、避難所マネジメントシステムに新たに追加された「詳細項目」(例:自家用車の使用有無、健康状態の申告、緊急連絡先など)を、Webフォーム、アプリ※、職員による手入力といった多様な入所経路から取得できるようになりました。さらに、自治体によって、項目ごとに利用の有無を管理画面から柔軟に設定できるようになっており、各自治体の運用方針や地域特性に応じた柔軟な項目管理が可能となりました。これにより、不要な項目の非表示や、必要な情報の重点的な収集が行えるようになり、住民にとっても回答負荷を軽減しつつ、自治体側はより効率的で的確な情報取得・管理が実現できます。
※自治体向け地域交流推進アプリ「tami tami」について
本アプリは、日常における地域交流活性化を目的とした機能を搭載しながら、災害発生時においては避難の円滑化を目的に、スマホで入所手続きを行える機能等を提供しています。
■避難訓練の概要
実施日 :2025年7月12日(土)
対象者 :江別市 自主防災組織に所属する住民
実施内容:最大震度6強の地震発生を想定し、バカンが提供する「避難所マネジメントシステム」を使用し、避難所入所受付の従来の紙の避難者カードへの記入を、アプリ※やマイナンバーカードリーダー、WEBフォームへの入力によってデジタル化し、デジタル技術を活用した避難所受付のメリットについて体験し、理解を深めるとともに、避難所マネジメントシステムへの住民・職員からのフィードバックを得ることを目的に実施。
1.アプリ※でのQR読取:避難者が事前にアプリ内で自身の情報を登録(マイナンバーカード読取りで登録、もしくは自身で入力して登録)の上、アプリカメラでQRコードを読み取る
2.QR読取でWebフォームに入力:避難者が避難所入所時にカメラでQRを読み取り、WEBフォームから情報入力を行う
3.カードリーダーでの読取:避難者がマイナンバーカードをカードリーダーにかざす
4.現行の紙媒体への記入:避難者が避難者カードに記入。職員が記入内容をシステムに転記し報告
【検証結果】
避難所入所における実証実験では、従来の紙ベース方式と比較して、デジタルを活用した各経路について概ねスムーズであるとご回答いただいており、1.アプリでのQR読取は83%、QR読取でWebフォームに入力は82%、カードリーダーでの読取は83%とポジティブな回答が得られました。
これまでの従来の紙方式では、避難者カードへの記入後、職員が手動でシステムへ入力する作業に時間を要していましたが、デジタル方式では避難者情報が自動的にデータベース化されるため、この後工程での作業が完全に不要となり、職員の業務負担を大幅な軽減が期待できます。
これまでも、バカンは、避難所入所受付のデジタル化の実証実験を行っており、6月の大阪府吹田市と行った実証実験では、所要時間を従来より最大約97%削減したというデータがあります。このことから、避難所入所受付のデジタル化は、迅速性・効率性・利便性の観点から非常に優れているといえます。特に緊急時には、一刻も早い対応が求められるため、このようなシステムの導入は、今後さらに重要性を増すことが考えられます。
■避難所マネジメントシステムについて
今回用いた避難所マネジメントシステムは、複数のサービスを統合し共通のプラットフォーム上で提供しております。避難所の所在や混雑状況の把握を可能とするWEBサービス「VACAN Maps」及び管理者向け機能「VACAN Console」では、避難所で集計された名簿の人数情報をもとに、避難所のリアルタイム混雑状況を自動的に可視化する機能も有しております。本機能により、避難所の入所者数と混雑状況がリアルタイムで管理画面とマップに反映され、職員や災害対策本部は追加作業なく状況を把握でき、住民も適切な避難先の選択が可能です。
【機能詳細】
・避難所入所手続き
避難者及び避難者の家族等の基本4情報(氏名・住所・性別・生年月日)等を事前登録することで、災害発生時には、避難所に掲示されたQRを読み取るだけで入所受付が可能。
・避難所マップ
マップ上で自分の現在地や、その近くの避難所の位置と開設状況の確認できることに加え、避難所のリアルタイム混雑情報を配信。全国で200以上の自治体に導入済み。
・施設予約
施設ごとの複雑な予約に対応しており、公民館や体育館、スポーツ施設等にも対応可能。
・電子回覧板
掲示板機能を搭載しており、自治体から住民へのお知らせや、住民間でのコミュニティの作成などさまざまなコミュニケーションが可能。
■今後の展望
バカンは、避難所の混雑状況の配信に加えて、今回実証したマイナンバーカード等を活用した入退所管理機能及び避難者名簿の作成を起点として、物資必要量の予測・管理や、避難者データの外部システム連携などの機能を追加実装していく予定です。さらに、日常における公共施設の予約や観光・イベント情報の配信などフェーズフリー活用を目指し、安全でスムーズな避難をサポートするため、さらに多くの自治体と協力し、今後もさまざまな機能の開発を推進していきます。
■株式会社バカンについて
会社名:株式会社バカン
代表者:河野剛進
所在地:東京都千代田区麹町2-5-1 WeWork 半蔵門 PREX South 3F
設立:2016年6月
URL:https://corp.vacan.com/
バカンは、経済産業省「J-Startup 2019」選定企業です。「人と空間を、テクノロジーで優しくつなぐ。」をミッションとして、 AIで混雑の可視化に加え、まちと暮らしをアップデートするプラットフォームを構築しています。
空間の体験をスマートにアップデートする「混雑・人流マネジメント」や「施設・エリアマネジメント」サービスの提供。トイレ個室内メディア「アンベール」の運営などを行っています。