三菱HCキャピタル株式会社(代表取締役 社長執行役員:久井 大樹/以下、三菱HCキャピタル)、株式会社エネコートテクノロジーズ(代表取締役:加藤 尚哉/以下、エネコートテクノロジーズ)、北海道電力株式会社(代表取締役社長執行役員:齋藤 晋/以下、北海道電力)は、このたび、ペロブスカイト太陽電池を活用した共同実証契約を締結し、2025年8月から共同実証実験*1 (以下、本実証実験)を開始します。
本実証実験では、これまで検証例が少ない低温環境下におけるペロブスカイト太陽電池の耐久性や発電特性に関する恒温恒湿室*2を用いたラボ試験と、実際の利用環境に近い実験施設での1年間にわたるフィールド試験を行います。これにより、積雪寒冷地にも適応可能な施工・管理方法を開発します。
3社は、本実証実験を通じて発電特性の把握や施工方法のノウハウを獲得し、ペロブスカイト太陽電池の社会実装を牽引することで、脱炭素社会に貢献します。
■本実証事業の概要
<スケジュールと概要>
<各社の役割>
北海道電力の実証施設 (赤枠のエリアの窓および外壁面に設置)
ペロブスカイト太陽電池
*1 三菱HCキャピタルとエネコートテクノロジーズは以下の資本業務提携を発表後、初めての実証実験
2024年7月18日付ニュースリリース「三菱HCキャピタルとエネコートテクノロジーズが資本業務提携契約を締結
https://www.mitsubishi-hc-capital.com/investors/library/pressrelease/pdf/2024071803.pdf
*2 恒温恒湿室:温度と湿度をコントロールし、任意の環境を作り出す部屋
ペロブスカイト太陽電池とは
ペロブスカイト太陽電池は、ペロブスカイト構造と呼ばれる結晶構造を持つ化合物を、太陽光を電気に変換する発電層として用いており、薄く、軽く、曲げることが可能な次世代太陽電池として注目されています。日本政府が「2050年カーボンニュートラル」の実現に向けて、太陽光発電をはじめとした再生可能エネルギー(以下、再エネ)の普及を推進している一方、再エネ導入の適地は限られております。このようななか、政府はあらゆる場所に設置可能なペロブスカイト太陽電池の技術開発に力を入れており、その市場は、2035年には1兆円の市場規模になると見込まれています。
■三菱HCキャピタルグループについて
三菱HCキャピタルグループは、“未踏の未来へ、ともに挑むイノベーター”を「10 年後のありたい姿」に掲げ、その実現に向けて、祖業のリースはもとより、有形無形のアセットの潜在価値を最大限に活用したサービスや事業経営などに取り組んでいます。「カスタマーソリューション」「海外カスタマー」「環境エネルギー」「航空」「ロジスティクス」「不動産」「モビリティ」の7つのセグメントのもと、連結総資産は11兆円超、連結従業員は約8,400人を擁し、世界20カ国以上で事業を展開しています(2025年3月末時点)。
本実証実験を推進する環境エネルギーセグメントでは、太陽光発電と陸上風力発電を中心とした事業を展開しており、コーポレートPPA*3事業やアグリゲーション*4事業、系統用蓄電池事業など先進的な取り組みを行っています。また、国内で保有する再エネ発電事業の持分出力数は業界トップクラスの約1.2GW (2025年3月末時点)であり、本実証実験で得られるペロブスカイト太陽電池のノウハウ等も活用し、今後も保有電源のさらなる拡大を図ります。
当社グループは、絶えず変化する社会や事業環境の変化を先取りし、お客さま・パートナーとともに新たな社会価値を創出することで、社会的課題の解決、ひいては持続可能で豊かな未来の実現に貢献していきます。
詳しくは、三菱HCキャピタルのウェブサイトをご覧ください。
https://www.mitsubishi-hc-capital.com/
*3 企業が小売電気事業者や発電事業者より再生可能エネルギー発電設備に由来した電力を長期・固定価格で購入できる仕組み
*4 発電所が生み出す電力の供給管理や、電力会社と需要家の間に立って、需要と供給のバランスをコントロールする事業、およびその事業者
■エネコートテクノロジーズについて
エネコートテクノロジーズは、京都大学化学研究所若宮淳志研究室の研究成果を実用化するために2018年1月に設立された京都大学発スタートアップであり、次世代太陽電池の大本命と目されるペロブスカイト太陽電池の開発・製造・販売を行っています。1.低照度向け高効率太陽電池を用いたデバイス(屋内光源デバイス)によるIoT化促進への貢献、2.高照度向け軽量薄膜太陽電池によるカーボンニュートラル社会実現への貢献、をコーポレートミッションと位置付け、事業に取り組んでいます。そして柔軟性の高い軽量のペロブスカイト太陽電池の量産をめざし開発を推進し、「どこでも電源(R)」の実現をめざします。本実証実験では、すでに高い発電力を発揮している曇り空や室内光下のような暗い光だけでなく、低温環境下においても発電が可能なことを検証してまいります。
https://enecoat.com/
■北海道電力について
北海道電力は、「ほくでんグループ経営ビジョン2035」で掲げた目標「再エネ電源を2035年度までに300万kW以上増(開発規模ベース)」の達成をめざすとともに、脱炭素化と経済の活性化や、持続可能な地域づくりを同時に進める「ゼロカーボン北海道」の実現に貢献していきます。
https://www.hepco.co.jp/