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札幌で震災避難者らがイベント-屋台運営などで個人復興費用創出、自立目指す

「第3回 ようこそあったかい道」の様子

「第3回 ようこそあったかい道」の様子

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 今年3月に発生した東日本大震災により北海道へ移住、一時避難する被災者らの自立や地域コミュニティへの参加を目的としたイベント「みちのくあったかい道(どう)」が5月6日から8日、札幌・本郷通り商店街(札幌市白石区本郷通8)で開催される。企画運営は、リサイクル店「モノココ」などを経営するルーツ・オブ・ジャパン(豊平区)の湊源道社長らで結成された「ようこそあったかい道 実行委員会」。

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 これまでに被災者の生活環境やネットワーク支援のためのイベントを開催した同実行委員会。同イベントでは、みちのく会、ようこそあったかい道の交流家庭60世帯の有志が屋台を運営し、同団体や地元協力企業がサポート。道内へ避難する被災者らの商業活動による個人復興費用創出や地域への融合を促す。「把握しているだけでも1,000人を超える被災者が北海道へ避難しているが、不慣れな土地で不安に過ごし家に閉じこもる人も多い。行政の支援のほかに民間も独自の手法でコミュニティ、経済社会への参加が必要と考えた」と湊さん。「被災者の人たちが避難してきた土地でこのようなイベントを開催することは初の試み。被災者の与えられる側としての心境から自立していただく為の変換点であり、来道者の周知及び受け入れ、全国の自治体へ指針も示せるのでは」

 出店するのは、牛タン、ずんだ餅など東北名物を中心とした飲食店屋台や東北の企業の特産物・民芸品を販売する物販店など。そのほか岩手県三陸沖の伝統舞踊「黒森神楽」「七頭舞」、仙台市のスズメ踊り、チャリティコンサートなどの催しも。「東北の白石藩が中心になって開拓された白石区・本郷商店街の桜祭りと共同開催することで、開拓史以降の大量移住者とともに北海道を再開拓するための礎になる。日本人の象徴である桜の木のもとで、自粛されない日本一注目を浴びる花見にしたい。共同作業での友情やコミュニケーションの場、やりがいも感じてもらいたい」

 「今後このような取り組みが北海道以外の地域にも伝わり、被災者の受け入れの活性化や民間企業、自治体による支援の切り口の拡大につながってほしい」と湊さん。「被災地への支援はもちろん、人が元気になれば地域も活性化し、北海道経済の発展にもつながるはず」とも。

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