北海道内の社団法人などでつくる「北海道地域再生推進コンソーシアム」は現在、地域が抱える課題をビジネスで解決する「社会的企業」推進のために起業を希望する有志に上限300万円を支給する「北海道社会的企業・起業プランコンペ」の参加者を募集している。同企画は内閣府の地域社会雇用創造事業の一環。
同団体は、同企画を推進するために北海道総合研究調査会(HIT)を中心に、NPO法人北海道NPOサポートセンター、NPO法人地域生活支援ネットワークサロン、NPO法人ねおすの4団体で結成。昨年度からの2年間で4度の募集を行い、120プランの採択を予定する。
昨年度に行われた1次・2次募集では、「温泉街の空き店舗を利用した地場産品カフェ」「銭湯を会場にした高齢者向け運動教室」「地域の彫刻家の育成事業」「アレルギー過敏症の人向けの家具販売」など、地域の切実な問題を解決するビジネス50件が選ばれた。
北海道総合研究調査会主任研究員の切通(きりとおし)さんは「これまで、事業経験がない主婦や学生など幅広い年代の方から募集をいただいている。地域のために尽力したいという熱心な方が多い」と話す。
今回の募集は3次募集となり、5月下旬から札幌や旭川など道内6カ所でコンペを開き審査を行う。審査基準は、先導性・モデル性・革新性、地域適応性・社会的意義、実現可能性、継続性、資金計画と運用性、総合評価の6項目。
「今回の支援は、従来の補助金よりは使い勝手が良いものになっている。これをきっかけに新しい提案が生まれ、北海道で新しい生活システムが確立できれば」と切通さん。「テーマは『地域課題を宝に変えて、地域再生』。地域課題を解決するための起業支援なので、社会的企業を単発的なブームでは終わらせたくない。地域の課題を現地レベルで的確に捉え、地域に根ざした社会的活動をしている方はどんどん募集してほしい。『120人で北海道を変える』くらいの気概で参加していただければ」と期待を寄せる。
3次募集の締め切りは5月9日。募集要項などは同団体のホームページで確認できる。問い合わせは同事務局(TEL 011-222-3669)まで。