冤罪（えんざい）をテーマにした映画「BOX袴田事件 命とは」の特別先行上映と、高橋伴明監督、足利事件を担当した札幌在住の笹森学弁護士によるトークショーが6月7日、シアターキノ（札幌市中央区南3条6、TEL 011-231-9355）で行われる。

　キャッチコピーは「あなたなら、無罪といえますか」。同作品は1966（昭和41）年、静岡県清水市でみそ製造会社専務一家に起きた強盗殺人放火事件の裁判で、死刑が確定した袴田巌さんが冤罪を訴え再審を求めている「袴田事件」を題材としたもの。

　袴田さんには疑われる理由が2つあった。一つは工場従業員の中で唯一専務と遠縁であったこと。もう一つは袴田さんが元ボクサーだったこと。柔道経験者の専務に対抗できるのに充分な理由だ。袴田さんは30歳で逮捕、約45年にわたり拘束され現在も東京拘置所に収監中。

　この事件を担当した主任判事・熊本典道は、長時間の取調べや日替わりで変わる自供から警察の捜査に対して疑いを持つ。同作品では、熊本さんの有罪と無罪の間で揺れる思いや苦悩を描く。熊本役には萩原聖人さんが、袴田役は新井浩文さんが演じ、大杉蓮さん、國村隼さん、塩見三省さんらが脇を固める。

　同劇場代表の中島洋さんは「トークショーは作品をより深く理解するために設けました。映画ファンに限らず、いろいろな方に見てほしい」と話す。

　上映時間は19時50分～21時50分。チケットは1,800円（前売り＝1,400円）。トークショーは上映後、約30分間を予定。