北海道内の12劇場で10月4日、映画「ぶどうのなみだ」が先行上映会が開かれ、ユナイテッド・シネマ札幌(札幌市中央区北1東4)で出演者らが舞台あいさつを行った。
映画は、北海道・空知でワインを作る兄と小麦を育てている年の離れた弟の元に、キャンピングカーに乗った旅人が現れ、2人の生活に新しい風を吹き込んでいくというスートーリー。オール北海道ロケで撮影された同作は、豊かな自然とワインや野菜、料理など北海道の魅力を随所に盛り込んでいる。
舞台あいさつには、主人公兄弟が飼っていた大型犬のバベットも登場。犬に振り回される大泉さんを先頭に、共演者の安藤裕子さん、染谷将太さん、三島有紀子監督がホールに入場すると、初回上映を見終わった観客から大きな拍手を浴びた。
大泉さんは「ヨシヨシ」とバベットの機嫌を取るのに終始。「俺より目立つんじゃないぞ」「お座り」など小声で話すなど犬とのやり取りを見せ、会場の笑いを誘った。
初めて本格的な女優に挑戦したという安藤裕子さんは衣装の赤い洋服を思わせる赤いワンピース姿で登場。「撮影中は優しい人と自然に囲まれて、気持ち良くエリカの人生を感じることができた。映画を見て優しい気持ちが伝わるといい」大泉さんと年齢が20歳離れているという染谷さんは「洋さんといい兄弟になれた気がする」と撮影時の気持ちを伝えた。
映画の舞台となった空知地方の魅力について三島監督は「名前の通り空を見上げたくなるような場所だった。青い空、緑の木、茶色の土、本州にはあまり見られない青や赤い屋根など色がたくさんあるところ。光が透明なところも魅力だった」と北海道の美しさを語った。
地元北海道の撮影中のエピソードとして染谷さんが「洋さんと現場を抜け出してすしを食べに行った。昼休憩に気付くと洋さんがいないこともあった。ちょっとだけ飲んだりしたことも」と話すと、「だから顔がむくむんですよ」と監督から怒られるシーンも。大泉さんは、撮影前に監督から顔がむくまないように注意を受けていたという。
バベット役を演じていた“たいちくん”(本名)の演技について聞かれた監督は「最初は“たいち”と呼ばないと振り返らなかったが、3日目くらいに役名を理解した後は堂々と演技するようになった。『カット』の声をかけると「ど、どうやっ?」という目で私の顔を見る。『OK』を出すと「そうやろ」という表情を見せ大物ぶりを発揮。大泉さんとも抜群の間合いを見せていた」とベタ褒め。動物嫌いだという大泉さんも「犬を飼ってもいいかも」と話していた。あいさつ後半では、空知で収穫したぶどう「ピノ・ノワール」や安藤さんが劇中で食べていた昔懐かしい三笠市産「8列とうきび」など北海道の果物を試食する場面もあった。
全国公開は10月11日から。